何の因果か、普通の日本企業かと思って入った企業が実は外資系企業だったという記事を書きました。
もう2016年の4月も終わろうとしていますが、よく辞めずにここまで過ごせたなというのが今のところの感想です。
今日で今の企業に入って約1ヶ月ほど経ちますが、確かに大変ですが、今までにない経験や勉強はできていると感じています。
その中で今回は、自分が今まで使ってきた会計ソフトの違いや気付きについて書いていってみます。
会計ソフトというものについて
ほとんどの企業が物やサービスをつくって、お客さんに販売して売り上げを上げたりして日々企業を運営しています。
その中には物やサービスをつくるための仕入れや原価があったり、従業員に毎月給与を支払ったり、他にも水道光熱費や住民税の支払いなど、日々企業を運営していくためには、常に細かな費用が発生します。
そういったお金の流れに「買掛金」とか「売掛金」といったラベルをつけて、日々のお金の流れをルールどおりに正しく記録していくのが「会計」とか「簿記」と言われる分野です。
そういったことをより効率よくできるようにしたシステムが「会計ソフト」と言われるものです。
弥生会計、勘定奉行、JDEといった会計ソフトについて
具体的にどういった会計ソフトがあるかというと、業種や規模によっていろいろと変わってくるのですが、自分が今まで経験してきたのは
- 弥生会計
- 勘定奉行
- JDE
といったものでした。これらについて、自分なりの視点で説明していってみます。
弥生会計
弥生会計は、主に数人とか数十人規模の中小企業で多く使われている会計ソフトです。勘定奉行やJDEと比較して何が違うのかというと、自分の視点では「見やすさ」とか「操作のしやすさ」だと思います。
弥生会計は、一般ユーザー向けに志向してつくられているようで、例えば絵が入ったアイコンとか、どのアイコンを選べば仕訳が入力できるか、どの手順をとれば損益計算書や特定の仕訳を検索できるかなど、
非常に直感的に使えると感じます。
勘定奉行
それに比べて勘定奉行はもう少し、「見やすさ」を落として「機能的」で「事務的」な感じがします。
勘定奉行という会計ソフトは、企業規模が数百人とか数千人レベルの企業で使われています。勘定奉行は弥生会計と比べると、見やすさや操作性は劣ると感じますが、機能はこちらの方が多いと思います。
例えば、検索機能の細かさとか、仕訳を入力するときも、より細かく設定できると感じます。
JDEという会計ソフトについて
自分が今回の記事で一番伝えたいと思ったのは、このJDEという会計ソフトです。今回外資系の企業に入って、このJDEという会計ソフトを使うようになって気付いたのは、弥生会計や勘定奉行に比べて全然操作性が違うということです。
ちなみにJDEの正式名称は、JD EdwardsでJD Edwardsという会社がつくっています。具体的には以下のwkipediaの内容を引用してみます。
JD Edwards は、1977年、Jack Thompson、 Dan Gregory、Ed McVaney がデンヴァーに創設したコンピュータソフトウェア企業である。同社は企業名と同じ会計ソフトウェアをIBMのオフィスコンピュータ向けに製造販売した。
(中略)
2003年6月、JD Edwards はピープルソフトによる買収に合意した。買収は7月に完了している。OneWorld はピープルソフトの製品系列に組み込まれ、EnterpriseOne となった。
2004年12月、オラクルがピープルソフトを買収したが、JD Edwards に由来する製品は今も販売されている。オラクルは、同社の元々の製品とピープルソフトや JD Edwards の製品を統合する新たな製品を計画している。
JDEは弥生会計や勘定奉行と比べて何が違うのか
自分が一番感じる違いは、弥生会計や勘定奉行は直感的に選べるのに対し、JDEは「コード形式」という点です。
例えば弥生会計や勘定奉行であれば、仕訳を入力する時に借方に普通預金であれば「普通預金」、貸方に売上であれば「売上」と選べます。
しかし、JDEでは例えば、借方に普通預金と入力したくても、そういった「普通預金」と書かれたプルダウンメニューなどは表示されず「123.ABC.567」といった感じで、入力しなければいけません。
もう少し具体的に書くと、弥生会計や勘定奉行では仕訳を入力する時に「部署」とか「勘定科目」「補助科目」といった入力欄がありました。
例えば入力する時に以下のような感じで入力します。(便宜上非常に簡易的に書いています。)
購買部 |購買部
仕入れ 100,000 |買掛金 100,000
○○工業 |○○工業
JDEでは部署が「BU(Business Unit)」勘定科目が「acc(Account title)」補助科目が「sub(subsidiary ledger)」といった感じで書かれていて、最初見たときは本当に凍りつきました。(全部わからなかったので)
しかも日本と外国とでは「見方」も違うようで、日本では仕訳をタテに見ていくのに対し、外国では「ヨコ」に見ていくようで、そういった文化的、形式的な違いに慣れるのにもかなり苦労しました。
他にも、日本であれば借方というのに対し、外国では「debit」貸方は「credit」と言うそうです。
そういった初歩的な部分から、何から何までわからなくて、もう本当にどうしようかと思いながら勉強する羽目になりました。
今思うのは、外資系企業に経理として入るには、JDEの操作は練習できないにしても、事前に「BATIC(国際会計検定)」といった本などで、勘定科目の英訳表記はもちろん、会計上での日本と外国との違いについてもしっかり勉強しておく必要があると思います。
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