読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

知識の倉庫の整理

ここでは今まで学んできたことや考えたことなどを整理、記録していきます

セイバーメトリクスからアスレチックスはどう変わったのか━『ビリー・ビーン 弱者が強者に勝つ思考法』

「ある年、オークランド・アスレチックスがドラフト指名した選手

のほとんどは、他球団では『ろくな活躍が期待できない』という評

価を下された選手だった。


『まともな選手と契約する金がないのだろう』ビーンは、こうした

見方を否定しなかった。実際に高い契約金を払えなかった。


しかし一方で、選んだ選手の将来については、絶対の自信を持って

いた。」

「ビリー・ビーン 弱者が強者に勝つ思考法」から引用


上記の引用文は今回の記事で取り上げる本の一文です。その中の「

セイバーメトリクス」という指標について書いていきます。

セイバーメトリクスとは

セイバーメトリクスという言葉を知るようになったのは今年のプロ

野球の結果を見ていたときでした。


プロ野球に関するあるサイトを見ていたときに「セイバーメトリク

ス」という言葉を知って、なんだかかっこよさそうな言葉だなぁと

思った記憶があります。


世の中には「物事を見る指標」を変えることによって、こういった

見方もあるんだな、と勉強になり、ある日偶然に、上記で引用した

本も見つけることができました。そのため機会があれば書いてみた

いと思っていました。

統計学的見地から客観的に分析する手法

意味は、「野球でデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手

の評価や戦略を考えて分析する手法」と言われています。


自分は今まで、野球というスポーツにおいて統計学とか確率という

指標を通して見る、という発想がなかったので、そのやり方や効果

を知るようになってから興味を持つようになりました。


このセイバーメトリクスという指標を最初に実践して結果を出した

のが、冒頭部分で引用したアメリカのプロ野球のチームの一つであ

る「アスレッチクス」というチームです。

アスレチックスの実例

セイバーメトリクスを導入する前は、メジャーのヤンキースという

チームがスター選手を多く抱え、その全選手の総年棒はメジャーの

全てのチームの中で一位となっていました。


一方アスレチックスというチームはメジャーの全チームの中で下位

の方に位置しており、何年もかけて育てた優秀な選手に高い年棒を

払うことができませんでした。そのためヤンキースのような高い年

棒を払ってくれるチームに優秀な選手がとられてしまうという苦渋

を味わっていました。


そういった環境の中で「セイバーメトリクス」という新しい指標を

導入して勝てるようになっていったのが冒頭部分で引用した「アス

レチックス」というチームでした。

どういった指標に注目するのか

「出塁率」がこの指標の中心的な指標です。今までであれば、「打

率」「打点」「本塁打」の数が評価されていました。その数が多け

れば多いほど優秀な選手と見られていたのです。

チームの出塁能力が高いかどうか

しかし、「本当に試合に勝つために必要な指標」という視点から見

ると、今までの指標は重要度が下がるわけです。そのことについて

「ビリー・ビーン 弱者が強者に勝つ思考法」から以下の文を引用

してみます。

p.36

「たとえば打点は、打者個人の能力に加えて、チームの出塁能力が

高いかどうかを考慮しなければならない。

なぜなら、極端に言えば、同じ「20打点」でも、出塁能力の低いチ

ームの打者だとソロホームランを20本打たなければならないが、出

塁能力の高いチームの打者だと満塁ホームランを5本打てば達成でき

る、とうことになるからだ。」


「しかし、出塁する方法には四球や死球もあるのに対し、打率は安

打を打てる確率にすぎないわけだから、打率の高さが必ずしも出塁

率の高さとは言えない。打率は低いが出塁率は高い選手もいるわけ

だ。」


「打率はそこそこでも選球眼がよくてたくさん四球を選ぶ選手の出

塁率より、打率は高くても四球など選ばない選手の出塁率のほうが

低くなることがある。出塁率に注目すれば、選手の別の面が見えて

くるわけだ」

引用ここまで


今までであれば、目先の華やかな結果に囚われていたわけですが、

厳密に調査すれば、それが必ずしもチームの勝利や優勝に結びつい

ていたわけではなかったのです。


本来勝つために必要な指標を導入することによって、今まで評価さ

れていなかった選手を安い年棒で契約することができるようになり

ました。そしてアスレチックスは2000年代前半に何度も地区優勝を

経験することになります。


しかし、その「やり方」を使えば「勝てる」とわかっていても実際

に導入するのは大変です。なぜなら多くの場合、旧態依然とした価

値観やルールを変えなければならないからです。


その大変さと効果については以下の過去記事を参照していただけれ

ばと思います

なぜ効果があるのか?

これはセイバーメトリクスだけではなく、いろんな確率と統計に当

てはまると思いますが、「大数の法則」が関係していると思います。

大数の法則

大数の法則とは、一般的な事例としてコイン投げを数多く繰り返す

ことによって表の出る回数が1/2に近くなど、数多くの試行を重ねる

ことにより事象の出現回数が理論上の値に近づく法則のことを言い

ます。


つまりセイバーメトリクスを念頭に考えるとどうなるかというと、

日本のプロ野球の試合は年間に約140試合、アメリカのメジャーの年

間試合数になると約160試合程にもなります。トーナメント形式のよ

うに少ない試合数だったら、結果もばらけてくるでしょう。


しかし「140試合」という多くの数をこなすことによって、その中で

見られる確率による結果は安定してくる、ということです。


例えば「打率」が典型的かもしれませんね。あるバッターが年間に

打席に立った数に対してどれだけヒットを打ったかという指標ですが

、この世界で「3割」打てれば一流と言われています。ですが、6割と

か7割になるということはまずありません。


上記のような中で「出塁率」を高める、もしくは高い選手を起用する

ことは「得点」を高めることにつながるため、この指標を重視したと

考えられます。


上記の大数の法則のように数をこなせばこなすど、ある一定の数に

収束していく、つまり出塁率が高くなる采配をするほど、長期的、

全体的に見て、勝てる確率が高くなっていくわけです。

まとめ

実際に分析するのと実践するのとでは、その大変さは違います。ビ

リー・ビーンのすごかった所は、古い価値観を持っていたチームや

球界からの抵抗や障害に負けずに実践を続けて結果を出したことで

す。


新しいルールや価値観というものはえてして、受け入れにくいもの

です。「もし失敗してしまったらどうしよう」とか、「もし結果が

出なかったらどうしよう」という恐怖に支配されてしまい、途中で

投げ出してしまうこともあるでしょう。


そのような中で、「新しい指標」によって新たなことを実践してい

くというその姿勢を自分も見習っていきたいです。

確率や統計学という分野

また、セイバーメトリクスという指標や実践例を実際に見ることに

よって、確率や統計学という分野に興味を持つこともできました。


今回の記事で伝えたいことは「既存の価値観やルールが本当に正し

いのか?」ということです。


今まででのような、例えば良い大学に入って、良い会社に入れれば、

そこそこの人生が送れる、といった従来の考え方は本当に正しいの

かな?ということです。


そういった選択肢もあると思います。ただ、「それだけではない」

はずです。何事も「脇道」はあるものだと思います。


今回の記事で、そういったことが伝えられたらと思います。


また、分析だけでなくそこから得られた結果をどう活用するのかと

いうその見方や考え方を意識して、これからも勉強していきたいと

思います。