今回は以下の過去記事の続きです。
過去記事ではCRMを有効に活用するには、収集した顧客データを各部署ごとに共通するコードで採番すると望ましいといったことを書きました。
加えてCRMに対する背景や理念、マーケティングやセールス、サービスといった組織レベルまで書きました。さらにそれらを生かすためには具体的にどういった方法が存在するのかということです。
以前からいろんな本でSFAという言葉を目にしていました。最初はスプリット・フィンガード・ファーストボール(野球でピッチャーが投げる変化球の種類)かな?と思ったのですが違いました。それはSFFです。
SFAとは「セールスフォースオートメーション(Sales Force Automation)」の略です。
今という時代にはCRMというものにおいて、こういうものがあって、こういった使い方があるんだなぁと勉強になったので今回はそのことについて書いていってみます。
SFA(セールスフォースオートメーション)とは

SFAというと辞書的には以下のような意味になります。
SFAとは、企業で利用される情報システムやソフトウェアの一種で、営業活動を支援して効率化するもの。
既存顧客や見込顧客のそれぞれについて、営業活動に関連する情報を記録・管理することができ、過去の商談の履歴や、現在進行中の案件の進捗状況、営業活動を通じて入手した重要な情報、アポイントメントや期限といったスケジュールなどを一覧したり編集することができる。
SFAをチームで利用することによりチーム内で常に最新の状況を共有することができ、属人性を排して組織として効率的に営業業務を進めることができる。
SFAとは読んで字の如く「営業の自動化支援システム」といったところでしょうか。ここでのポイントは「属人性を排して組織として効率的に営業業務を進めることができる。」です。
今までの営業活動の問題点
昨今はSOHOとか在宅勤務をする人も増えてきました。企業にとっては勤務する社員の交通費とかオフィスの賃料を少なく出来るというメリットがあります。そのような中で営業マンを直行直帰させる企業は増えているようですが、問題点もあるようです。
今までの営業活動の問題点は、個人の実力がそのまま営業成績に直結していていたことです。その理由について『CRM―顧客はそこにいる (Best solution) 』では次のように書かれています。
p.189
個人で計画を立て顧客管理をし、案件を追いかけることが、ともするとやりたい仕事をし、付き合いたい顧客とだけ付き合い、自分が売りやすいもので商売する格好になってしまう・・・
SOHOや在宅勤務が増えてきてはいますが、その流れは企業にとってはあまり良くない結果をもたらすということですね。
要は企業としては、企業全体としてムラなく効率よく売上をあげたいという考えがあるのでしょう。そのような背景においてSFAは効果があると書かれています。
つまりSFAを通した情報共有によって、出来る人のノウハウを出来ない人とも共有してチームとして成績を上げよう、といったことができるようになります。
ただ、これは自分の今までの経験や感覚ですが、営業マンというと体育会系の人たちをイメージします。体育会系の人たちに限定はしないのですが、人情として、自分に他の人と比べて特殊なノウハウを持っていたらなかなか公開したくはないものです。
「今までやっと苦労して見つけたコツとかノウハウ、人脈といったものをどうして簡単に共有しなければいけないのか」と考える人がいることも充分考えられます。
そこで重要な点は組織の評価方法として「個人の成績」ではなく「チームの成績」における評価方法への変更に多くの人が理解を示してくれるかどうかがカギになるのではないかなと思っています。
ナレッジマネジメント【 knowledge management 】を利用した手法
ナレッジマネジメントとは個人の持つ知識や情報を組織全体で共有して、それらを有効に活用することで業績を上げようという方法です。
まさに上記で書いた方法です。出来る人のノウハウをチームで共有することによってチーム全体で成績を上げようとする考え方です。
営業という言葉からイメージするものは、今までだと営業先へ何度も足へ運んで信頼を得て取引をしていく、分厚いカタログを持ち歩いて、そこから商品説明をしていくといったものがあるのではないでしょうか。
自分も以前は営業マンの働き方にはそのようなイメージがあったのですが、最近はそうではなく、タブレットなどを利用して商品情報などを画像や動画などで説明していくスタイルなどもあるようです。
自分も以前携帯電話の機種の買い替えの時に、店員の方からタブレットを使った説明をされて軽いカルチャーショックを受けた経験があります。
「・・・!?今の時代はこうやって商品説明するんだ!」とその時感じました。
分厚いカタログではなく、「データ」であれば膨大な情報でもタブレットを通して持ち歩くことができます。加えて画像や動画もあれば、今までに比べて動的に商品説明できるので、顧客にもわかりやすく伝えられるでしょう。
そのような膨大なデータは持ち歩けるだけでなく、オフィスのデータベースやインターネットとも利用してリンクさせることができます。
例えば営業先での取引情報の進捗具合から、オフィスにいる上司から何らかの指示もリアルタイムに受けられるといったメリットもあるようです。
また、進捗状況が記録、共有できることによって、どこで案件獲得に失敗したのか、失敗しないために今後どういった対策をすればいいのか、といった情報も共有するこが可能になります。
そういった情報を共有できるようになれば、例えば同じ顧客で、違う担当者が対応する場合でも、大きな情報の齟齬なく取引を進められるという利点もあるでしょう。
今までいた営業マンが辞めてしまった場合、その人じゃないと対応できないといったことでは問題になってしまいますから。
自分の理想とした世界
今回はCRMという分野の中のSFAという手法について書いていきましたが、勉強を進めていくと世の中にはいろんなやり方や考え方があっておもしろいと感じます。
自分も以前は、「上手い人のやり方を周りの人と共有すれば全体が上手くいくもんじゃないの?」と思っていました。
ですが、その時の自分の知っている範囲では、今回の記事の中盤にも書いたように、「人情としてはノウハウは公開したくない」といったことが自分の周りで見られ、「あぁ、世の中はそういうものなんだなぁ・・・」と理想と現実のギャップを目の当たりにした記憶があります。
しかし世の中全てがそういった考えの人ではなく、勉強を進めていくとやはり自分の理想とするやり方も実際に世の中にあるものなんだと知ることができ、勉強していくことのおもしろさを日々感じています。





















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