VBAで仕事を単純化・仕組み化して他の人に任せられるようになって気づいたこと

会社で仕事をしていると、その業務量の多さからどうしても時間がかかったりミスが出たりします。また、会社に入社して何年か経ってある程度の年齢になったら出世というものについて意識するようになるかもしれません。

 

そんな時に自分の業務を効率よくやりやすくしたり、他の人に自分がしていた仕事を任せる、引き継いでもらう、ということもしなければならなくなってくるでしょう。

 

インターネットで「出世する人の特徴」といったキーワードで検索すると多くのサイトが出てきますが、そういったサイトを見ているとその中に

  • 他人に仕事を任せることができる

という項目をよく目にします。

 

自分はこの項目を見て「なんで出世する人の特徴にこの項目があるんだろう」と不思議に思っていました。しかし会社の中の「ルール」というものについて理解してくるとなんとなくわかってきます。

 

年功序列というわけではないのですが、会社という場で仕事というのは基本的に上長や先輩社員から教えてもらうことになります。自分が上長や先輩社員から仕事を引き継ぐということは、彼ら彼女らの仕事が少なくなり空きスペースができます。

 

上の人たちの仕事に余裕が出来た分、さらに上の職位の人たちから上長や先輩社員が仕事を引き継ぐという流れになっています。

 

つまり、職位が低い人たちに問題なく仕事を引き継いでもらうことができれば、職位が高い人たちはさらに職位の高い人たちから仕事を引き継ぐことができ、それが「出世」に繋がる要素のひとつになるというわけです。

 

もう少し具体的に言うと、上の人たちに好かれる・仕事ができる、ということも重要ですが、下の人たちに好かれる・わかりやすく・ミスなく仕事を教えられる、ということもできないと出世するのが難しいと考えられます。

 

自分は最近、新しく入ってきた人に一部仕事を引き継いだのですが、この引き継いだ仕事内容に「VBA」を使っていました。

 

このブログではこの「VBA」についてたくさんのことを書いてきましたが、それはほとんどが「自分の仕事内容をいかに効率化するか」について書いたものでした。

 

しかし、実際に経験してみて思ったのは、このVBAというのは自分の仕事を効率化できるだけでなく「他の人に仕事を引き継ぎやすくする」要素も多くあるのではないかと思いました。また、この点によって気づいたこともありました。

 

今回は、これらの点について気づいたことを書いていってみたいと思います。

VBAで仕事を単純化・仕組み化すれば人間の能力に依存しなくてもよくなる

まず「自分が担当する仕事」という視点から整理していってみます。自分が考えるVBAができる大きなメリットは次の2つです。

  1. 業務を高速で処理できて早く仕事を終えられるようになる
  2. 業務をミスなくできる

自分は今まで経理の仕事をしていて感じたのは、業務を高速に処理できるようになるよりは「ミスなく」業務ができる方が嬉しく感じました。

 

ここまでは表面的なメリットだと思っていて、もっと根源的なメリットとしては

「人間の能力に依存しなくてもよくなる」

ことがVBAやプログラミングができるようになるメリットではないかと感じるようになってきています。

 

これはどういうことかというと、例えば高度で膨大な知識が必要とされる仕事があったとします。このような仕事を滞りなく進めるためには優秀な人間に任せる必要があり、そのような仕事というのは基本的に職位が高くなっています。

 

また、そのような仕事というのは給料が高く、こういった仕事ができる人というのは学歴が高かったり、能力が高い傾向にあります。

 

そのような膨大で高度な知識が必要とされる仕事ではなく、単純な仕事を処理する事務職でもかなりの注意力や集中力が必要とされます。これらの仕事は自分の今までの経験から、確かにある程度の学歴や能力というのは必要だとは感じます。

 

しかし、学歴が高く、能力がある人じゃないと高い収入を得られる仕事に就けないのでしょうか。

 

いえ、VBAや他のプログラミング言語を使って仕事を単純化して、どうやってもミスが出ないような仕組みを作ってしまえば学歴や能力は関係なくなるのではないか思っています。

 

冒頭部分でも一部書いたのですが、少し前に新しく入ってきた人に自分がしていた業務を引き継ぎました。この業務にはVBAを使ったツールを使っていて、自分のためのVBAの勉強や今までの経験を活かす為に結構色々な「ミスしないための仕組み」を入れていました。もちろん業務を早くできるようにする点も含めてです。

 

その甲斐あって、新しく入ってきた人に業務を引きついた後も、ミスが出たという報告も最初の頃に比べれば全然聞かなくなりましたし、自分が作ったツールが他の人に評価もされました。

 

その業務引継ぎの一連のことから感じた事は「ミスをしないための仕組みを作れば他の人でも問題なくできる」ということです。これは自分にとっていろいろな面で衝撃的なことでした。

 

もちろん多少のメンテナンスは必要です。業務が一部変わったりしたら、コードもそれに合わせて修正する必要があったりはします。ただ、そういう点が問題なくできれば担当者もミスは続きません。

今までの会社の上司のレベルに気づいてしまった

自分はこれまで経理という職種を中心に正社員、派遣社員含めて10社近く働いてきています。「10社」というのは普通の人から見たら多いと感じるでしょう。

 

この10社というのは別に遊びほうけていたのではなく、真剣にミスなく業務をできるようにしよう、この会社でずっと働こうという意識があったにも関わらず、なおこの数値に達してしまったわけです。

 

というのも会社ごとの上司からのパワハラが少なくなかったからなのですが、今だからこそわかります。「VBAなどで絶対ミスしないための仕組みやツール」ってこれまで経験してきた会社・仕事でどこにもありませんでした。

 

いや、ミスしないための方法というのはないことはなかったです。例えば

  • この合計が一致していたら大丈夫(目視)
  • この数値とあの数値が一致していれば問題ない(目視)
  • 一件一件ペンでチェックマークをつけながら見ていく(目視)
  • 声に出しながらチェックしていく(目視)

っていう方法は教えてもらったりはしました。けどそういったやり方はやっぱり本人の注意力とかマンパワーとか能力とかに左右されてしまうし、チェックは結局、全部人間の側がやってたんですよね。

 

ペンでチェックマークをつけながらチェックしていくのではなく、例えば「ボタン1つで1から10までの処理を終わらせ、なおかつチェックもする」というツールは、今まで経験してきた会社ではどこもなかったです。

 

今の会社で自分がそのようなツールを作って業務を引き継いで、引き継いだ人が特に問題なく業務を進めてくれて、自分がこれまで10社近く経験してきたからこそ気づいてしまったのですが、非常に残酷で申し訳ないのですが、これまでの会社では

 

「そういったレベルの上司しかいなかった」

ということです。

 

もっと言ってしまえば、できない人をできないと切り捨てるようなレベルの人しか上司にいなかった、ということです。別の視点から別の言葉で表すと、できない人でもできるような仕組みを作れる人が上司にいなかった、とも言えます。

 

「類は友を呼ぶ」とか「与えたものを受け取る」という言葉があるように、そのような上司の下でしか働けなかった、そういった能力も見抜けなかった自分の能力の低さも問題があったとは思います。

 

まぁでも反面教師というか勉強にはなりました。できない人でもできる仕組みを作る知識や能力も会社では必要なんだな、という点にです。

まとめ

インターネット上では会社で出世するための要素のひとつに「他の人に仕事を任せられる人」という項目が書かれていることが多い、といったことを冒頭部分で書きました。

 

他の人に仕事を任せられるというのは、単純に「教え方が上手い」というのもあるとは思います。要素としてはそれだけじゃないと思いますし、自分のこれまでの経験から別のことにも気づいてしまった、というのが今回の記事です。

 

それは、できない人をできないと切り捨てるのではなく

  • 「できない人でもどうすればできるようになるのか」
  • 「できない人でもできるような仕組みを作るためにはどうすればいいのか」

といったことを考えるのが上の立場に立つ人にとって必要なことじゃないかなと今回の件から思いました。また、他の人に業務を引き継ぐ時は、今まで以上にその人が仕事をしやすいように業務を改善したり整理していこうと思うようになりました。

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