NTT鵜浦博夫社長と安部首相の対談でモバイル端末の料金引下げを政府が促進する理由はIoTが関係

少し前から以下のような記事を見かけるようになりました。

ドコモの携帯料金引き下げ案

ドコモ、安倍首相の携帯料金引き下げ案に前向き – iPhone Mania

安部首相が携帯料金の引き下げを命じたことに対して、NTTが携帯料金を引き下げる検討に入ったことが明らかとなりました。日本経済新聞の取材に、NTT社長の鵜浦博夫氏が語りました。

 

コスト削減に前向き

NTTの鵜浦博夫社長は、安倍首相が家計への負担を軽減するための方針を検討するよう閣僚に指示したことについて、「政府と対立するつもりはない」と述べ、

 

企業の持続的発展に沿う形で、料金を含むサービス向上に取り組んでいくつもりであると語りました。

引用ここまで

このような記事を見るようになって、最初は「は?政府が民間の企業がつくる製品の料金価格でこんなに介入していいのか?」と不思議に思っていました。その後、なんでかなぁとその理由を考えてはいたのですが、段々と頭の片隅に追いやられていました。

 

前回にも書いた『キュレーション』という本を読んでいて、気になった一文がありました。それによって今回取り上げた記事と頭の中で繋がった感じがするので紹介します。

とくにモバイル・インターネット特有の消費者行動を引き起こしている4つの要素に注目している。すなわち、安心できる支払いシステム、低価格、定評のある店舗、およびパーソナル化の4つだ。

 

モバイル・インターネットが盛んになるにつれて、デスクトップでの不満や失敗の経験がはっきりしてきた。

 

インターネットというものは持ち運びできるほうが、その価値を増すからだ

引用ここまで

 

「あれ?これってIotじゃないか?」と思いました。Iotとは

 

“モノのインターネット(Internet of Things : IoT)と呼ばれていいます。”モノ”(例えば車や家電製品など)に対し各種センサーを付けてその状態をインターネットを介しモニターしたり、コントロールしたりすることにより安全で快適な生活を実現しようとすることを言います。”ちなみにIotについては過去記事で取り上げています

 

「インダストリー4.0 第4次産業革命」

『キュレーション』という本からもうひとつ引用します。

さて、いまあなたは、自分だけの顧客IDナンバーを手に入れたといってもよい状態にある。この番号はあなたのモバイル機器のユーザー名に関連づけられている。

 

もちろん、それは携帯電話の番号のことだ。いまでは、このID番号から、ユーザーが誰で、どこにいるかもわかり、近いうちに、何を探していて、何を買うのかもわかるようになるだろう。

 

引用ここまで

この一文から政府が今促進している「マイナンバー制度」が思い浮かびました。マイナンバー制度とは日本が2016年度から導入する個別の制度名で、日本国民全てに番号を割り当てる制度です。それに基づいて社会保障や個人情報の管理など、行政の処理をすべて行うというものです。

 

マイナンバー制度によって税金の支払いで効率化と透明性が進むかと思っていましたが、メリットはそれだけではなさそうです。個人情報において、税金面意外に、誰がいつ、どこで、何を買ったのかというのが今まで以上にわかるようになります。

 

このシステムを利用して、効率的なマーケティングをする企業も出てくるかもしれません。

 

「スマートフォンの料金値下げ、Iot、マイナンバー制度・・・」

 

冒頭の記事ではスマートフォンの値下げ理由は、「家計への負担を軽減するための方針」とありますが、値下げの理由は自分も同じように考えました。「確かにここ20年国民の平均年収下がってるしなぁ…」と。でもよくよく考えてみるとたぶん違うと思います。

料金値下げの本当の理由

「きたるべきIot社会へのスムーズな移行」が本来の理由なのではないかな?と自分は思っています。

 

マイナンバー制度とかスマートフォン料金の値下げだけを見ると単なる断片的な情報にしか見えませんが、その背景にあるものは共通したものだと思います。

 

Iot社会が実現するようになったら私たちの生活はどうなっていくのでしょうか?以前書いた過去記事では、自分が注文した商品が無人の工場で自動でつくられて、配送も自動で自宅に届けられるといったことを書いたと思います。

 

その記事を書いていたときは「まだ結構先のことかなぁ・・・」と思っていましたが現実はそうでもないようです。

 

長谷川慶太郎さん、渡邉哲也さんの本には『世界の未来は日本次第: 「BtoB」、そして「BtoG」へ』という本に次のような文章があったので機会があれば、取り上げたいと思ってた一文があります。

ファナックの無人工場の事例

ロボットアーム

p.177

ファナックは山梨県の忍野村に本社があり、富士山麓に工場群を持っていますが、そこに世界でたったひとつの『照明のない工場』があるのです。生産がロボット化されているので照明が要りません。

 

平成になりたての頃にルクセンブルク大公と妃殿下が来日したことがあります。宮中晩餐会で天皇陛下が大公にお会いになり『明日のご予定は』と尋ねたところ、大公は『ロボットがロボットをつくる工場に見に行きます』と答えたそうです。

引用ここまで

 

この一文を見たとき本当に驚きました。「え!?日本にそんなすごい工場があったの!?」

 

確かにファナックといえば工作機械の分野では世界シェアNo.1という理解はありました。、しかし本当かな?と。しかしインターネットでいろいろ調べてみましたが、本当にあるようですね。

 

自分の知らないところで世界はかなり先を進んでいたようです。今ではさらに機械が自分で学習するようになっているとのこと。工場については、理想に近い形がもう実現しています。

 

製造業については後は配送に課題があります。しかし今は、ドローンという無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる機械や自動運転車が実験段階です。そう遠くない未来にIotという社会は実現しそうですが、これは人々の生活においメリット、デメリットいろいろあるでしょう。

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