今回の記事の題名は「ペティ・クラークの法則から見る労働者階級」ですが、下記の記事の続きといった感じです。
自分の生きている世界には、自分と他人との間に、特に職業とか思考とか行動においてどうも見えない壁みたいなものがある。それが何なのかずっと気になっていました。以下は人や業種、職種の階層の認識に至るまでの自分の思考プロセスです。
人や業種、職種の階層の認識に至るまでの自分の思考プロセス
- 大学時代の自分の身の回りの理不尽なことに納得できず、様々なことに「なぜ」といった疑問を感じる。
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- 学生時代は、歴史とか社会科の科目が好きだった。そのため大学時代には歴史や社会の中での問題や事象にはいろいろ興味を持って調べたりしていた。その中で、エネルギー(例えば、風力、石炭、石油など)にも歴史があることを知る。それがどのような影響をもたらしたかについて興味を持つようになる
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- そのエネルギーの歴史というのは、14世紀頃に湿地帯に風車の動力を使った、オランダの干拓18世紀頃に石炭を使った、イギリスによる産業革命、20世紀頃に石油を使ったアメリカによるT型フォードなどの大量生産、といった感じで時間が経つごとに、エネルギーが発展し、それが国ごとに移動していることに気づく
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- エネルギーにも歴史があり、その知識が自分の中で一定の「層」となり、今まで学んできた歴史の「層」と脳内で関連し始める
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- 層と層とが意味を持って繋がるようになる。今まで断片的で記号的だった知識が、点と点が繋がるような感じで、意味を持ったものとして認識できるようになる
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- エネルギーの発展によって、産業が発展していく。
- 1594年 オランダ“風の文明”の一次エネルギー構成比。フランス?風車小屋だより出版は1869年、初出は1865年?フランス プロヴァンスの風車小屋がほとんど廃れ 蒸気機関製粉工場化したのは その20年まえ1845年ごろ?、、 – 少し経済 – econ
例えば上記の記事を引用させていただくと、エネルギーによる産業の発展伴い、時代ごとの人々の考えや、行動、習慣にも変化が見られ、時代ごとに特徴的な文化が生まれるようになる。
なぜその時代にそれが生まれたのか、その背景にはこういうことがあったから、といったことが自分の中で理解できるようになる。
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- 勉強を進めていくうちに、さらに今までの事象を俯瞰的に見た「※ぺティクラークの法則」というものがあることを知り、その内容になんとなく合点がいくようになる
※以下wikipediaから引用
(ペティ=クラークの法則とは、経済社会・産業社会の発展につれて、第一次産業から第二次産業、第二次から第三次産業へと就業人口の比率および国民所得に占める比率の重点がシフトしていくという法則。
ウィリアム・ペティの『政治算術』中の記述を元に、クラークが「ペティの法則」として提示したものである。ただし、ペティ自身が明確に打ち出していたわけではないため、「ペティ=クラークの法則」とも呼ばれるようになっている。)
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- そのぺティクラークの法則から時代ごとに発展する企業や、求められる人材がどのような知識や能力を持った人なのかがわかるようになる
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- ぺティクラークの法則の背景には「技術や知識の向上」があるのではないかと考えた。その考えを元に現代の企業を見てみると、なぜその業種が年収が高いのか、なぜその業種が年収が低いのかがなんとなくわかるようになる。
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- その「技術」にも特徴があり、長い年月を経て蓄積されてきた知識、技術、特に現代では頭脳的な知識が要求される年収が高い。例えば、金融やIT、素材産業など、その他の特徴としてはなるべく大きな設備を持たない業種も含まれる。
- 一方、体力が必要で多くの設備が必要な業種、例えば外食産業や宿泊業などは年収が低い傾向にあるということがわかってきた
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- 上記の業種ごとの特徴以外に、一人当たりの売上高、生産性、技術、付加価値、長い時間をかけた知識や技術が必要か、といった観点から「これって階層化してないか?」と感じるようなる。
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- 業種レベル、企業レベルで階層化されているこということは、個人レベルでも階層化できてしまうのではないか、と考え職種ごとに、その職業に多い人の特徴とか思考、行動、嗜好を思い出してみると上記で書いた内容と同じような特徴を見出すことができた。
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- 業種、職種ごとに「技術や知識」といった観点から階層化できるのではないか、と認識できるようにはなったが、それはまだ自分の中では漠然としたものだった。
以上のようなことを考えていたときに、ちきりんさんの「新)4つの労働者階級」という記事を見て、「まさにこれだ」と自分の中でもやもやしたものがきちっと整理される。
まとめ
以上が現在の認識に至るまでの、自分の思考プロセスです。世間では、人に序列をつけたり、身分に差がでるような行動は嫌悪されます。今回書いた記事の内容の認識に至るまでは自分も、そのようなことを考えることはあまりなかったです。
しかし、上記のように物事を整理して見れるようになると、個人というレベルでなぜサービス残業、長時間労働が発生するのか、といった問題もなんとなく見えてくるものがあります。
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