前回は、なぜそこまでして安い労働力や新たな市場のために、企業は工場を海外に移転させるのか、という疑問で終わりました。以下が前回の記事になります。
外国人研修生や外国人労働者の増加
自分は大学時代、新聞奨学生として新聞配達をしながら大学に通っていました。
新聞配達というのは、ただ新聞配達をするだけではなく、新聞に広告を入れたり、その新聞をバイクのカブの荷台に積んで縛ったり、移動したりと新聞を配ること以外にもいろいろと作業があります。
その移動の中には、ビルのエレベーターに乗って上の階のお客さんの扉まで行って、ポストに入れるという作業もあるのですが、そのような新聞配達の途中のエレベーターの中でよく新聞を読んでいました。
ひとつのマンションで配るところは一箇所だけということはないし、それが複数のマンションで起こるということになれば、エレベーターで移動する時間というのは結構まとまった時間になります。
当時の自分はこの時間がもったいないと思っていたので、その細切れの時間を利用して、余っている新聞の記事をよく読んでました。ある日、ふと目にとまる記事があります。
- 「外国人研修生を受け入れか・・・」
- 「日本国内の中国人労働者がここ数年で○%増加・・・」
「ふーん、自分がいる販売所にも韓国人の人がいるし、コンビニや飲食店にも外国人の人をよく見かけるよなぁ・・・」
その時はあまり深く考えず、言われてみると自分の周りに外国人の労働者が増えたかなぁぐらいにしか考えていませんでした。
アウトソーシングという業務の外部委託
また、ある時こんな記事も見たりしました。
- 「アメリカのIT企業はインドへアウトソーシングを活発化・・・」
「へぇー、社内の仕事を外国の他の会社にやってもらうっていうやり方があるんだぁ」
その時はただただ企業というものが進めていく上記のようなやり方に感心していました。インターネット上を調べ見た所、アメリカのインドへのアウトソーシングについて以下のようなことが書かれているサイトを見つけました。
経済の回復に見合った雇用の増加がみられない要因として、最近、アメリカ国内から海外への雇用流出が指摘されている。
アメリカ民間調査会社フォレスターリサーチによれば、2000年から2015年までに累計330万人(うちIT関連50万人、年平均では全体で約22万人(2003年の非農業雇用者数に対する比率0.2%))のサービス雇用が海外にアウトソーシングされると予測されている。
特に、同じ職種でもアメリカ国内に比べて賃金の安いインド等へのアウトソーシングが進んでおり、この動きがアメリカ国内の雇用が増加しない一因だとする見方もある。
ITアウトソーシングというものにはメリットだけではなく、デメリットもあるようです。インドなどへアウトソーシングするアメリカの企業にとっては、安く製品やサービスを顧客へ提供できるのでメリットがあります。
デメリットとしては、アメリカ国民にとってはインドへ仕事がアウトソーシングされてしまう分、雇用が失われてしまうのではないかということです。その時は、「サービス」とか「モノ」とか「情報」というものの性質が、ビジネスとどう関わっているのかというのは全くわかっていませんでした。
ただ、日々体験することとか、紙面上から読み取れる情報から少しずつ自分の頭の中で形になっていくものはありました。
目に見えない物事の背景や、根底に何らかの共通するもの
今でこそそういったものの性質が「どれだけ簡単に国境を越えてしまうか」といった度合いの強さである、というのがわかります。
しかし、以前の自分にとってまさか情報とかサービスとかモノには性質があって経済とか雇用に密接に関わっているなんて考えたこともありませんでした。
だから、「目に見えない物事の背景や、根底に何らかの共通するものがある」ということがわかるようになってきた時は、こんな見方もあるんだなと驚いたのを覚えています。さらにそこから、あれこれ考えるわけですが
続きはまた次回に
以下が続きの記事になります。
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