少し前から「在宅勤務」とか「SOHO」という言葉を見かけるようになりました。
在宅勤務やSOHOについて
在宅勤務とは、勤務する会社のオフィスで働くのではなく、自宅で働く事とされています。SOHOとは、「 Small Office/Home Office」と言われ、小さな事務所や自宅を仕事場とし、情報通信ネットワークを駆使しながら事業を起こした個人事業主をさし雇用されない働き方とされています。
インターネット上で調べた範囲では大まかに上記のような内容になりますが、自分の中の今までのイメージでは「会社ではなく自宅で仕事ができるようになること」といった感じでした。具体的にどういったものか、と特に注意深く考えるでもなく、「自分にはあまり関係なく未来の働き方」といった風にしか見ていませんでした。
しかし現実はそうでもないようです。ある日「クラウドソーシング」なる言葉があることを知るようになりました。
クラウドソーシングについて
最初にクラウドソーシングというものを知ったきっかけは、中小企業診断士の勉強のために『中小企業白書(2014年版)』読んでいたときのことです。その中で以下の資料を読んでいた時に知りました。
第3部 中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来
第5章 新しい潮流-課題克服の新しい可能性-[PDF] http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/10Hakusyo_part3_chap5_web.pdf
「第 1 節では、IT を活用した外部資源活用として、「クラウドソーシング」を取り上げる。クラウドソーシングとは、インターネット上の不特定多数の人々に仕事を発注することにより、自社で不足する経営資源を補うことができる人材調達の仕組みである。」
(単位:億円)
資料:(株)矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場・クラウドソーシング市場に関する調査結果 2013」から中小企業庁作成(注)1.クラウドソーシングサイト上での業務委託
企業による仕事依頼金額(成約に至らなかった仕事の依頼金額も含む)の総額から算出。
2.見込は見込値、予測は予測値「クラウドソーシングとは、インターネットを介して不特定多数の個人又は企業にアクセスして、必要な人材を調達する仕組みである。
必要な人材を調達するといっても、実際に従業員を雇用するわけではなく、あくまで業務を発注する人材をクラウドソーシングサイト上で見付けて、仕事の発注を行うというものである。」
引用ここまで
以上のような資料を見ることで、会社に行かずに自宅で仕事をするということがなんとなくイメージできるようになりました。今はクラウドソーシングができるサイトとして、「クラウドワークス」や「ランサーズ」が有名です。
この資料を見たときは「自分が知らないところで世の中はこんなに進んでいたのか・・・」といった思いでした。クラウドワークスを自分でいろいろ見てみた感想として仕事の種類としては
- ウェブ開発
- ウェブデザイン
- サーバーシステム開発
といった仕事が単価が高いようです。逆に
- ライティング
- 画像・動画加工処理
- 作業関連
といった仕事は単価が非常に安いです。
アウトソーシングにおいては、経理の簡単な業務など中国の大連への外部委託などが有名です。自分が働いてきた会社では外国という言語や文化の壁などでトラブルが起きないかということで躊躇しているところもありました。
そのため、日本人にお願いできるのなら大丈夫だろうという企業もあるでしょう。『クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 』という本ではクラウドソーシングの効果について以下のように書かれています。
p4
「クラウドソーシングは、商品開発や新規事業立ち上げを従来と比べて数倍のスピードで、かつ、半分以下のコストで行うことを可能とするため、企業の競争のルールを根本から変えてしまう。」
引用ここまで
新しい技術に対応できない企業というのは淘汰されていくということでしょう。
クラウドソーシングという存在を知っての感想
発注する側、受注する側それぞれメリットやデメリットあるようです。
発注する側
- メリットは安くお願いできる
- デメリットは仕事の質があまり思わしくない
受注する側
- メリットは好きな時に好きな仕事ができる。
- デメリットは継続して仕事が受注できるわけではない。
- 単価が安い
以上が双方の大まかなメリットデメリットになるようです。自分もクラウドワークスの仕事内容を見てて思ったのは単価が「安い」ことです。ITに関しての能力が高く、それに関する仕事ができる人は良いかもしれませんが、そういった人以外はクラウドソーシングだけで生活していくのは難しそうですね。
もうひとつ考えたことは、ますます「二極化」「格差の拡大」が進むだろうなと思いました。社内ではなく外部の人間に今までの何分の一かで仕事を委託できるようになってしまう、しかも正社員ではないのだから社会保険料とか交通費も払わなくても良いのです。
会社側としては、こんなに便利な方法があるのにどうして高いコストを支払ってまで今まで社員を抱えなければならないのか、このままで競争に負けてしまう、と考える人もいるかと思います。今後企業に勤める社員という立場は苦しくなってくるかもしれません。
逆に受注する側は何か特殊な知識やスキルがないと最低限の生活費も稼げないようになるかもしれません。今すぐにそうはならないでしょうが、今後そういった方向に進んでいくのではないかと思います。今後の動向に注目したいと思います。
何か気になるところがあったらクラウドソーシングについてまた書いていきます。
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