前回クラウドソーシングについて書いたので、今回はクラウドファンディングについて書いていこうかと思います。
資格試験の途中で見つけたのですが、クラウドファンディングという新しい資金調達方法というものがあることを知り、「世の中にはこんなやり方もあるんだな」と感心しまして、機会があればこういう場で書いてみようと思っていました。
クラウドファンディングという新しい資金調達方法

以下の「中小企業白書(2014年度版)」の中で次のように書かれています。
第5章 新しい潮流―課題克服の新しい可能性―
第2節 ITを活用した資金調達
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/10Hakusyo_part3_chap5_web.pdf
「近年、IT を活用した新しい資金調達の仕組みが注目を集めている。これは、インターネットを介して不特定多数の人々から資金調達することから、「クラウドファンディング」と呼ばれている。
クラウドファンディングでは、これまで困難であった個人の投資へのハードルを下げることにより、これまで金融機関が融資に関して中小企業・小規模事業者や起業家に対して消極的になっていた部分を補完し得る可能性があると指摘されている。」
引用ここまで
ちなみに、このクラウドファンディングという手法は、事業を行う企業だけではなく、一般個人・団体が事業性のない活動(地域活性化活動や環境保全活動等)をする際にも利用できるようです。
要は、今後インターネット上で資金調達することができるようになっていくということです。今まであれば、特に中小企業やベンチャー企業、個人が事業を立ち上げる際、創業者の貯金や親族からお金を借りて資金繰りをしていかなければいけせんでした。
しかしクラウドファンディングという新しい資金調達方法により、新しく事業を始めるためのアイデアがインターネット上で多くの人に評価されれば事業を起こせるようになるということです。
今までの資金調達
これまでは、中小企業が資金を調達するのは簡単ではありませんでした。大企業に比べれば、内部資源や自己資本が劣っており、安全性が低かったからです。そういう企業にこそ銀行はお金を貸すべきではないのかと思いますが、銀行も株式会社なのです
お金を貸す以上は儲けないといけません。しかし今後はそのような関係も変わってくるかもしれません。もしかしたら今後は・・・
中小企業「今度新しく設備投資をしたいので資金を調達したいんですが。」
銀行「そちらの財務状況ではちょっとお貸しするのは難しいかもしれません。(貸すのは無理です)」
中小企業「そうですか。わかりました。(そういえば知り合いの社長がクラウドファンディングというのがあると言っていたな。そっちを使ってみるか・・・)」
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数年後
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銀行「融資残高が伸びないな。もっと借りてくれるところはないか・・・。そういえば以前資金調達したい所があると言っていた所があったな、あそこに営業してみるか。少し融資基準を下げないと今後は厳しいかもしれないからな。仕方ない」
中小企業「あぁもういいです。別にお金を貸してくれる所ができたんで」
銀行「・・・」
以上のようなことが今後起こり、既存の銀行の競争も激しくなり、存在価値が問われていくかもしれません。
クラウドファンディングのメリット
『クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命 』ではクラウドファンディングのメリットを次のように記しています。
p.56
「このようなクラウドファンディングで資金を調達する大きなメリットは、資金提供者に対して株式を提供する必要がないため、経営に対して影響を受けないことである。
ベンチャーキャピタルからの資金調達であれば、経営方針などに注文をつけられたり、無理な経営や本来の意図と違った経営を強いられたりすることもある。
それに対して、クラウドファンディングであれば、出資者の各個人に対して、当初約束した見返り以上の責任を負うことなく、経営の自由度が担保される。
これはベンチャー企業にとっては、大変な魅力である。クラウドファンディングは、クラウドの力を活用した新たな資金獲得方法と言える」
引用ここまで
確かに言われてみればそうかもしれません。経営者である以上は資金を提供してくれる株主の意向を無視することはできません。自分のやりたいようにやろうとしても、それが株主の意向に反するものであれば交代させられてしまいます。
しかし、新たな資金調達方法によって誰も見向きもしなかったアイデアが評価されて今までであれば考えられないような素晴らしい商品やサービスが作られていく可能性は高まるかもしれません。
クラウドファンディングというものを知っての感想
「新しい技術」や「新しいやり方」というのは今までの立場の逆転を起こしてきたことが何度もあります。今まで権力を持っていたものが、新たな技術ややり方によってその価値を失い権力の移行(パワーシフト)が行われるというものです。
例えば以下に過去記事で取り上げたものがあります。
今回取り上げ事例はほんの一部であり、歴史上このようなことはたくさんあります。常に新しいことに目を向け勉強していくという姿勢はますます重要になってくるでしょう。
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