クラウドファンディングを利用して選挙に出馬した人がいる、ということを知ったとき、「なるほど、こういう使い方もあるんだなぁ」と新しいものの見方という面で気づかされました。
それを知るきっかけとなったのが、先日とある本屋で購入した『本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方 (SB新書)』という堀江貴文さんが書いた本です。
この本は、現代を生きる人たちに対して、堀江さんの今までの経験と考えから、これからの時代は「本音で生きる」ことを説いた内容となっています。
今回はこの本について書いていってみます。
やる気さえあれば、政治家にだってなれる━家入一真さんの事例
その本の中で次の文章が自分にとって強く印象に残りました。
p.180
やる気さえあれば、政治家にだってなれる
やろうと思えばなんでもできるし、何にでもなれる。政治家になることも、今や不可能ではない。
それを象徴するのが、2014年の東京都知事選だ。実業家の家入一真さんが立候補し、「居場所のある街を作りたい」という公約を打ち出した。家入さんは有能だけれども頼りない面もある。
だが、それゆえに周りの人が集まって支えてくれるし、何より彼は思いついたことをすぐに実行できる力を持っている。
実業家といっても彼はお金を持っていなかったので、僕を含めた支援者がお金を貸して、供託金をなんとか支払うことができた。クラウドファンディングを使って選挙資金を集め、応援団もでき、一種のムーブメントを起こすことができた。
結果は残念ながら16人中5位で落選だったが、9万票という得票数は馬鹿にできないインパクトがある。
家入さんの選挙についての解説や選挙でクラウドファンディングを利用した場合の政治資金規正法については以下の記事がわかりやすいかと思います。
都知事選、クラウドファンディングで選挙運動資金を募った狙いは | オルタナS
恥ずかしながら、自分はあまり選挙には関心がなく、家入一真さんという名前も、どこかで聞いたことがあるなぁと思っていたのですが、この時の選挙に出馬した方だったとは思いませんでした。
現在の選挙活動と供託金について
現在の日本における都知事選などの選挙に出馬する際、「供託金」というものが必要になっています。
供託金とは、選挙に立候補する者が届け出の際に支払わなくてはならない一定の金額とされています。選挙で得票数が一定数に達しないと没収されてしまいます。
なぜ選挙に供託金なるものがあるかというと、その発祥はイギリスにあり、無責任な立候補の乱立を防止するという目的がある制度とされています。
これがかなり高額になっていまして例えば衆院選や参院選に出馬する際に約300万円という所もあるようですが、これって実質「お金持ち」の人じゃないと選挙に出れないということです。
自分としては、このような「生まれ」とか「家柄」とか本人の意思や努力とは関係なく、「先天的」なもので何かが決まってしまうというのがあまり好きではありません。
実際、供託金に関するwikipediaを見てみたらその部分の批判もあるようです。
供託金制度を導入している他国と比較しても日本の供託金額は極めて高いため、立候補の権利を不当に抑制しているとの批判が根強い。そのためアメリカ合衆国やフランスなどのように「住民による署名を一定数集める」といった代替案が提案されている。
またアメリカ、フランス、ドイツ、イタリアなどには選挙の供託金制度がなく、フランスに至っては上院200フラン(約4千円)、下院1,000フラン(約2万円)の供託金すら批判の対象となり、1995年に廃止している。
しかし、「クラウドファンディング」という新しい技術と新しい発想や「アイデア」によって今までの障壁を壊せるかもしれないという「可能性」を見ることができたのは、何ともいえない嬉しさを感じます。
今までの発想
クラウドファンディングについては、以下の過去記事で触れていました。
自分の今までの発想では、クラウドファンディングというのは、手持ちの資金が少ない個人や中小零細企業が、つくりたい製品やサービスのために利用する資金の調達方法という考えしかありませんでした。
しかし、「選挙」にクラウドファンディングを利用するという発想はなかったので、以下の過去記事でも触れましたが、まさに「アイデア」だなと感じました。
以上のように、新しい技術やアイデアによって、もっと本人の意思と努力で報われる世界になっていってくれればいいなと思います。
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