前回の記事で「元銀行員のFinTechブログ。」さんの記事を取り上げましたが今回も取り上げたい内容があったので書いてみます。
ユニクロの現実━頑張れば本当に報われるのか?
今回の記事で伝えたい内容は以下の記事です。
「あぁ、そうだよなぁ・・・」と思わずにはいられなかったので書かせていただきました。
元銀行員が考える、日本の銀行の弱点とは? – 元銀行員の金融とテクノロジー雑記
簡単に言うと、「頑張れば役員になれるかもしれない」という夢を社員に見せないと、皆頑張れなくなってしまうので、やらないのです。
要は、外から来た良く分かんない人が、いきなり役員になってしまうなど、中の人から見たら言語道断なのでしょう。
まさにまさに、自分が以前会社というものに対して勘違いしていたことです。
「頑張れば報われる」
「頑張れば自分が就きたい職種に就かせてもらえる」
自分は役員までは考えていませんでしたが、同じようなことを考えていました。
ですが、会社という所で働くようになって、また実際に経理というものを勉強するようになってわかってきました。
「会社が社員に対して、やりたい仕事をやらせることは極めて可能性が低い」
ユニクロは本社と現場のキャリアが完全に分断

て、機会があればこういったブログなどで書いてみたいと思っていました。それが以下のユニクロに関する記事
ユニクロがブラックな本当の理由。キャリアの分断にみるユニクロの真の闇
しかし、よくブラック騒動をみると、すべて新卒で入社して店長にあてがわれたひとの話だ。ユニクロの本社部門のひとの話は全然書かれていない。ここが味噌である。
ユニクロは、本社と現場のキャリアが完全に分断されてしまっている。本社は、中途採用で、マッキンゼーやらATカーニーやらアクセンチュアの人をとりまくり、コンサルの巣窟とも言われているようなところだ。彼らにとっては、本社はそれなりにチャレンジングでやりがいのあるホワイトな環境である。
ユニクロで出世したいなら、MBAとってマッキンゼーを経て中途で入るのがよい。新卒でユニクロにはいっても店長が関の山だ。
このように完全に分断された構図は、欧米の小売業だと当たり前なのだが、日本の場合あえて別の社会的な反発をくらうからか、学生がとれなくなるからか、そういう事実をあえてぼかしている。
キャリアの分断というものに対する考察
自分は以前、外食産業で働いていましたが、激務に耐えられず、諸所の事情から経理という道を志しました。その後経理に就くために簿記の勉強をしたり、転職活動をするようになって気づいたことがいくつかあります。
例えば上記でユニクロの本社と現場に関するキャリアが分断されてしまっているという記事を引用しました。この記事を最初見たとき、ユニクロに限らず他の会社においても「確かにそれはあるな」と感じました。
現場と本社で必要とされる知識は全く違う
なぜなら、現場と本社で必要とされるような知識や、その量、意識が全く違うからです。
現場には現場の知識が必要ですが、本社の仕事にはやはり本社の仕事に関する知識が必要です。
例えば、将来的に役員になりたいと思っても現場の人が経営に関する勉強をしているかどうかを考えた場合、そういった人は少ないのではないでしょうか。
今は成果主義という言葉も聞くようになりましたが、自分の実感としてはかなり根強く年功序列制度が残っていると感じます。
年功序列制度の下で、経営に関する知識を身につけずに、ただその仕事を我慢して続けてきた人に、「もうそういう年齢だから」といって役員をさせるのはやはり難しいと思われます。
やりたい仕事があったら我慢しない方がいい
やりたい仕事があった場合、ただ我慢して待っているのではなく、そのための知識を自分から身につけなければならない、特にこれからの社会はその必要性が高まってくると感じています。
転職活動中においても、実際に経験してみることでわかることもあります。
例えば経理では、20代後半だったら月次決算の経験が欲しい、とか、30代前半だったら年次決算の経験まで欲しいといった求人をよく見かけました。
転職活動をすることで具体的に何が必要かがわかる
実際に転職活動をしてみることで「なるほど、経理というのはこういった知識が必要であり、年齢ごとにこういったレベルになる必要があるのだな」といったことがわかります。
こういった所である一定の目標ができ、そのために何をすべきかがわかってきます。
逆に、新卒で大企業に入って、20年以上同じ会社で一回も転職活動をしたことがない人は、それはそれで問題がある気がします。
なぜなら「周りと比べての現在の自分のレベル」や「市場は何を求めているか」といったことがわからないからです。危機感が持てないとも言えるかも知れません。
昨今は大企業でもリストラや減給が普通になり、40代以降の人がなかなか再就職できないといったことを聞いたりします。
それは年齢だけの問題ではなくて、市場が求めるものと比較して自分の能力はどれだけのレベルなのか、どれだけのものが必要なのか、といったことを考える機会が持てなかったことも原因かもしれません。
まとめ
ユニクロは、労働時間がブラックなのではなく、決して本社では働けない人材にグローバルとか、その上の華やかなMBA的世界をチラリズムさせて採用しておきながら、じっさい名ばかりの店長をつづけさせる。
つまり、ありそうにみえて実際はないキャリアパスで人を釣っているという詐欺のところが、真にブラックなのだ。
冒頭記事の「ユニクロがブラックな本当の理由。キャリアの分断にみるユニクロの真の闇」から引用
世間では「何事も我慢が大事だ」「とりあえず3年は頑張ってみろ」「もしどこも雇ってくれなかったどうするんだ」と言われたりします。
確かに「我慢」は必要かと思いますが、このことに関して自分はある時、非常に恐怖を感じたことがあります。
「いったいいつまで我慢すればいいんだ・・・」
「じゃあ後30年これが続けられるだろうか(我慢できるだろうか)」
「それって生きているのではなく、生かされているだけじゃないか?」
といったことを考えたときもありました。そういったことを考えたときに「1年ぐらいだったら我慢できるかもしれないが、30年はまず無理」といった答えを出しました。
「1年」と「40年」は違う
自分が新卒で入った会社を辞めるときに、最後にある総務の方に言われたことをまだ覚えています。
「1年近くも就職活動したのに辞めてしまうのはもったいないじゃないか」
その人は目先の1年しか見ていなかったわけです。(体力的に続くかどうかわからない、自分のしたい仕事もできるかどうかわからない)今の仕事を今後の30年、40年続けられるか考えた場合、まず無理だと判断しました。
自分はある意味、運が良かったかもしれません。幻想を見たくても見させてもらえなかったので。
内部ルートではなく外部ルートから入るという発想
この記事で何が言いたいかというと、自分がしたい仕事があった場合、
内部ルートから我慢してそれをしようとするのではなく、(仮に長年我慢できたとしてもしたい仕事をさせてもらえる保証はありませんが)自分からその知識を学ぶようにして、「外部ルート」から入るようにしたほうが現実的で早いということです。
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