以前からこの件は長い間問題になっています。昨今うつ病の患者が増加している、とか有給休暇が取れないとか、終電までいつも仕事をしていた、という話をよく耳にしていました。ですが、最近は電通の事件から世の中の流れはだいぶ変わってきました。ようやく長時間労働とかサービス残業を抑止する方向に動いていきそうで、この流れに期待していきたいです。
外食産業の現場の現実
自分もご多分に漏れず、このサービス残業、長時間労働は経験してきました。一番最初に就職した企業は外食産業の会社だったんですが、それはもうすごかったです。あそこは人間が働く所ではないですね。
今はもう別の仕事をしていますが、当時の外食産業の店舗の中では本当に何もしない時間がないという状態でした。それにプラスして明らかに追いつかない仕事量。今だから冷静に考えられますが、あれはもう最初から従業員にサービス残業をさせることを前提にしていたんだろうなぁと思います。
自分が当時店舗で仕事をしていて、一番ひどいときは午後8時に仕事に入って、閉店が午前3時ごろ、店内の掃除や後片付け、事務処理等で午前6時ごろ終わるというスケジュールをこなしていました。
午前6時に仕事が終わってから、さらに近くの漫画喫茶で4時間ほど仮眠して10時に店舗に出勤、そこから開店準備をして11時に開店。しかもに店内にいる時間全てが勤務時間には含まれているわけではありません。
これが連続で続いたときはもうさすがに身体的、精神的にダメージが大きくなってきてリアルに「何も考えられない」、考えることが事態が疲れてしまうという状態になっていきました。
そこまでの状態になってくると、さすがにこれはやばい、危険だと、こんな状態が続いたらもしかしたら「死ぬかもしれない」と感じるようになっていき、なるほど「これがブラック企業なのか・・」と強く実感するようになりました。
ここ数年鬱病患者が増加していると言われていますが、自分の実体験からこれは無理もないことだなと感じました。
というのも、自分が経験したような短時間睡眠で、なおかつ長時間労働激務、上司から日々罵詈雑言を浴びせられては、そりゃ鬱病患者が増加するのも分かる気がしました。
ブラック企業というのは自分には関係ない別の世界のものだと思っていた
自分が実際に企業で働くようになるまでは「ブラック企業」というものには、あまり意識はしていませんでした。というのは、まだ働いたことがないという経験のなさもありましたし、ブラック企業というのは、「存在するかもしれないけどそういった企業はほんの一部」といった考えを持っていたからです。
あまりにも激務だったので、この会社にいられたのは約1年ほどだけでした。それからしばらくして、いろんなところで
- 「長時間労働」
- 「サービス残業」
という言葉を目にするようになります。
社会人になる前はそういうのはごく一部の企業だけで自分には関係ない、というお花畑の思考回路に自分の中で反省しています。しかし自分も経験したように、自分の周りの人の話からも誰にも起こりうることなんだ、とわかったのです。
労働者が会社を辞める時は、基本的に次の二つの名目で辞めることになります。
- 自己都合
- 会社都合
企業側としては、労働者が辞める場合、会社都合ではなく自己都合で辞めさせたいようです。
その具体的な理由はわからないのですが、会社都合で労働者が辞める場合、労働基準監督署といった所などから何か聞かれるのではないでしょうか。ですから企業側は労働者を使い捨てたい場合は、「労働者の方」から自分から辞めるように仕向けてきます。
一般的に企業側が労働者を酷使して、ひどい時には、
- 鬱病
- ケガ
- パワハラ
までして追い込んでいく、という方法が考えられます。
ここで疑問なのですが、そもそもなぜこんな問題が発生し続けるのか?なぜ企業側はそこまでして労働者を酷使するのでしょうか。これを次の記事で書いていきたいと思います。
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