紙の精算書からx-pointのワークフローに変わって思う経費精算の機械化と働き方の変化

ここまで何社かの企業で経理として働いてきましたが、経理の仕事は基本的な部分では共通しています。ですが、エクセルで集計するのか、それとも会計ソフトを使って集計するのか。

 

紙を使って精算するのか、それとも専用のシステムを使って精算するのか。

 

手形を使った取引も同様です。紙を使った手形で取引をするのか、もしくは電子手形を使って収入印紙や郵送費も削減して取引するのか。

 

経理の仕事ひとつとっても、そのやり方は企業において様々です。

 

昨今では人間の仕事に対する機械化や自動化がどんどん進んでいるという話をよく聞きます。

 

それは経理の仕事も同じであり、業務の機械化やコンピュータ化への変化に対して対応していかなければならないということを強く感じるようになってきました。そのことについて感じたことを今回は書いていきます。

企業での経費精算について

電卓と書類

企業で働いた経験がある方であれば、誰でも仕事をする上で会社の取引のためにお金を払ったことがあるのではないでしょうか。

 

例えば企業で営業マンとして働いている方であれば、取引先に出張するために旅費交通費として電車代やバス代などでお金を払う機会があるかと思います。

 

他にも取引先を接待するために手土産を買ったり、飲食店で食事をしたり、そのためにお金を使う機会もあるでしょう。

 

他にもシャチハタや付箋などの事務用品の購入、蛍光灯が点かなくなれば、新しく購入する必要が出てきます。

 

会社の製品を取引先に売るといった大きな取引以外にも、個人の活動においても日々なんらかの出費があるものです。

 

そのような個人の出費を精算する業務が経理以外にも営業や購買、総務、人事など会社全体にあります。

 

会社のために自腹で出費してばかりでは生活ができなくなってしまいますので、定期的に「精算」という形で、その人が会社のために出費した分だけ口座にお金が振り込まれる、というのが多くの会社の経費精算として多いやり方ではないでしょうか。

紙の精算書での精算

以上のような「経費精算」にも会社によって様々なやり方があります。それはその人がある一定期間に出費したお金を「紙の精算書」を使って経理部に提出していただくという方法がその中のひとつです。

 

なぜ「紙」という言葉を使ったかというと、会社の精算もひとつのやり方だけではなく、会社全体で共有できるシステム上で精算処理が可能な所もあるからです。

 

「紙」と「システム」を使った精算を両方とも経験して気づいたことは、やはり「紙の精算書」だと「手間がかかる」ということです。

 

もちろん「システム」といっても完全にペーパーレス化できるわけではありません。取引先への飛行機や新幹線を使った場合などは領収書が必要となり、領収書が必要な日々の活動には、その証明を確認できる原本を提出してもらう必要があります。

 

紙の場合だと手間がかかると書きましたが、その一つは「郵送」です。これが時間的、経済的に結構な負担になってきます。

 

これが、それほど多くない営業マンや、一つの営業所や一つの販売店だけであればそれ程気にはならないのでしょうが、やはり「企業」というレベルになるとその規模もバカに出来なくなります。

 

例えば数百人、数千人の営業マン、それ以外の部署の人間からも紙の精算書が本社の経理部に届けられた場合、その開封作業でまず時間をとられます。

 

そしてその精算書がどの営業所のどの営業マンのものか、を照合していく作業があります。これだけの数とこれだけの手作業ではやはりどこかでミスが出てくるもので、なるべくあってはならないのですが、

 

仮にそこでミスがあった場合、地方の営業所にいる営業マンとの行き違いというか、そこでまた時間をロスしてしまうという事態が発生します。

 

最初の開封、集計作業をなんとか終えた後は、まとめた精算書を以下のようなポイントに注意してひとつひとつチェックをしていきます。

  • 精算書の金額と領収書の金額が合っているか
  • 摘要の内容と勘定科目が合っているか
  • 日付は合っているか
  • 電車代の範囲の精算書に書かれた金額は、実際の範囲の金額と一致しているか
  • 飲食代が含まれていた場合、5000円以上かそれ以下か
  • 会社の規程から必要な申請書などが添付されているか

上記以外にも確認作業はありますが、精算書ひとつひとつをチェックしていき不備がないか、不備があった場合はその精算書を作成した人に修正をお願いしたり確認をとる必要があります。

 

この紙の精算書を使った精算で最もシステムを使うべきだと感じたのはこの部分です。

 

人間が手作業をするとどうしてもミスがでてきてしまいます。それも何百、何千という精算書があれば確率的にどうしても一定数出てきてしまうのです。

 

不備があって、担当者に直接修正をお願いしなければいけない場合は、本人に返さなければならなくなります。このときにまた封筒やあて先を作って本人宛に郵送するだけでもお金と時間がとられます。

 

そこから担当者に届いて修正をしてもらい、また本社に郵送してもらうという作業があるのです。システムが整備されればどれほど時間、手間、費用が削減できるだろうかと誰もが考えるでしょう。

 

自分もいくつかの会社で経理として働いてきましたが、紙の精算書による経費精算だと以上のように様々な手間が発生してしまい、毎月の締め作業に毎回毎回慌てるという経験をしてきました。

 

こういったことを書くのも「x-point」という経費精算システムを使った会社によって、ここまで書いてきた手間がほとんどなくなり、その利便性に感心したからです。

 

x-pointを利用した精算

コンピュータシステムの概念図

x-pointとは企業内における精算システムです。詳しい内容は以下のサイトを見ていただければと思います。

紙の精算書で経費精算をしていた時は、「もっと手間をなくせるような便利なシステムを導入すればこんなに時間も費用もかけなくてよくなるのに」と思っていました。

 

ですが、具体的にそんなシステムがあるとは、実際にx-pointを使うまでは知らなかったので、自分でもただの理想論だと思っていました。

 

世の中探してみれば、やっぱりあるものですね。社内の全員がアクセスできる共有のシステム「x-point」に初めて触れた時は感動したものです。自分の理想が体現された感じでした。

 

本社が東京にあって、営業所が大阪にあったとしても社内の誰もがアクセスできる共有システムがあれば、わざわざ精算書を大阪から東京まで郵送してもらう必要はありません。

 

まずここで「郵送費」が削減できます。さらに修正が必要でも電話やメールで連絡してその場で修正してもらうことも可能です。もちろんこういった時間的、経済的な面から非常に便利になったというのはあります。

 

ですが、紙の精算とシステムの比較で感じるもうひとつ大きな違いは「なるべく間違いが少なくなるように設計されている」という点ではないでしょうか。

 

というのは、経理の経験者であれば、お金の用途によってどの勘定科目が使われるのか、この用途でこの勘定科目は課税されるのかといった点にはあまり悩まないのではないでしょうか。

 

しかし、簿記や税務の勉強をしていない人にとっては判別が難しいときもあるでしょう。このシステムは勘定科目を選ぶ際、プルダウンメニューに表示されるいくつかの項目の中から科目を選べる形で、それによって自動的に課税、非課税も入力されるという形になっています。

 

もちろんシステムなので各項目ごとの合計金額も自動で計算されます。システムが自動で計算してくれるので、最初の入力金額が間違っていなければ合計金額も間違えることはありません。

 

なぜこんなことを書くかというと、紙の精算書だと人間が手を使って電卓で計算するので、なんらかの形でミスが入りやすいのです。

 

例えば単純な計算ミスもありますし、人間の目視だと桁数や見間違いの発生の可能性も出てきます。いろんなミスのパターンがあり得ます。

 

以上のようなことから、システムを使った経費精算になると様々な面で便利になると感じました。

紙の精算とx-pointでの精算を比較して思うこと

今回の記事では、ただ単に紙の精算よりシステムを使うと便利になりますよね、といったことを伝えたいのではなく、仕事の内容が以前と比べて変化している、もしくは今後も変化していくであろうと感じています。

 

というのは、人間が手足を使う仕事から、頭脳を使うような仕事にシフトしていっている、シフトしていかざるをえなくなっていくと感じているからです。

 

このブログでは以下のような過去記事を書いています。

労働集約産業から知識集約産業へ、人間の働き方が変化していっているということです。

 

例えば経理という仕事も最初から会計ソフトとか経費精算システムがあったわけではありません。

 

まだ電卓も無い頃は算盤や紙の帳簿を使って会社のお金の記録をつけていたことでしょう。ですが、技術の発達によって電卓が生まれて数値の計算スピードや仕事のしやすさが飛躍的に向上したことは容易に考えられます。

 

それから会計ソフトが生まれることで、一つの仕訳からの総勘定元帳や他の帳簿への同期化、さらに自動で貸借対照表や損益計算書の作成、税の計算なども容易になりました。

 

そして今は、以前と比べれば人間の手作業からかなり解放されてきたのではないでしょうか。もちろん人間の手や目でチェックせざるを得ない部分もあります。

 

その中でも例えば、精算書をチェックする際「荷造運賃」という勘定科目があったとします。なんらかのモノを運送会社に運んでもらった時などに発生した出費の勘定科目となります。

 

この時に領収書やそれに付随する資料にしっかり目を通しておかないと「保険料」が含まれていたのに見落とす可能性があります。

 

ここで自分が言いたいのは「システム上では正しい数値」でも人間の目を通さないと判別できないものや見落とす可能性のあるものが存在するということです。しかしこれもいつまで続くのかとも思っています。

OCRを使った文字や画像の読取装置から思う今後の経理業務

以前とある会社で、OCRを使って資料を読み取り、記録していくという作業をした時がありました。自分が見た感じではその機械の精度はあまり高くはないという印象でしたが、この状態もいつまで続くかわかりません。

 

ちなみにOCRとは「IT用語辞典 e-Words」には以下のように書かれています。

【 Optical Character Reader 】 光学式文字読取装置

OCRとは、紙面を写した画像などを解析して、その中に含まれる文字に相当するパターンを検出し、書かれている内容を文字データとして取り出す装置やソフトウェアのこと。また、そのような方式による自動文字認識

というのはGoogleが2012年に猫を認識する人工知能を開発したというニュースがありました。

 

2012年の時点で既にそのレベルですから、2016年、さらにはこれからの技術の発達具合を考えると、「機械に人間と同様に感じられるように読み取らせる」というのもそれほど難しくはなくなってくるのではないでしょうか。

 

要は、発達したAIが組み込まれた領収書を読み取れる機械ができれば、自動的に仕訳が作成され、金額、摘要、課税か非課税かなど、経理に関する諸々の処理がほとんど人間の手や目も入れずに処理できるようになる可能性があると感じているということです。

 

そのようなことができるようになれば経理を担当する人間は今後どうなっていくのか。それに関する本もたくさんありますが、やはり機械にはできない、さらに上位の業務ができるようになる必要があるのではないか、と以前にも増して強く感じるようになった、というのが今回の記事を書いた理由です。

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