第三者視点から仕事を辞める人の面談の話を聞いて思うこと

今も少し昔もあまり変わっていないようですが、新卒の3年以内の離職率が3割を越える状況が続き、それが問題となっているようです。また、日本の少子高齢化に伴う人口減少から若い働き手が少なくなって、人手不足で困っている企業も上昇の一途を辿っています。

 

そういった時代の象徴的な出来事に偶然居合わせるという出来事がありました。それは、先日とある喫茶店で本を読んでいたら、偶然仕事を辞める人の話を耳にする機会がありました。

 

どこかの会社の方たちなんでしょうが、仕事を辞める人とその上長らしき人たちが偶々自分が座っていた席の隣に座って、仕事の辞めることについての面談を始めました。

 

今回はその面談で自分が耳にした内容から感じたことを書いていってみます。

教科書的な感じの会話

今回の出来事は、とある喫茶店で本を読んでいたときのことです。2人の男性が自分の隣の席に座りました。他にも空席はあったのですが、他に座っている人の配置から考慮して座るとしたら自分の隣の席に座るしかなかったようです。

 

自分のその時の気持ちとしては、「他にも席があるのになんでここに・・・」という何とも言えない居心地の悪さを感じました。その時は、喫茶店に入ってまだそれほど時間が経っていたわけでもないですし注文したアイスコーヒーもまだ全然残っています。

 

さすがにこれで店を出るのももったいない気がしたので、その場は我慢して本を読むことに集中することにしました。

 

自分は基本的にイヤホンを耳に入れながら勉強します。これは音楽を聴くためではなくて「耳栓がわり」に使っています。やっぱり勉強する時とか本を読む時というのはなるべく周りの雑音が少ない方が集中できます。

 

もうひとつの理由としては、耳栓をそのままつけると周りの人から変に思われるんじゃないかと思っていたので、「音楽を聴いている風を装える」というのもあって手間もかからないので、その時は耳にイヤホンをつけながら本を読んでいました。

 

耳にイヤホンをつけているとはいってもやはり周りの雑音は完全に消すことは出来ず、特に隣の席に座られて会話をされると、やっぱりその声は多少なりとも耳に入ってきてしまいます。

 

それが良かったのか悪かったのか、いろいろと貴重というか、冒頭でも既に書きましたが、会社を辞めるという話が耳に入ってきて「あぁ、やっぱりどこもこんな感じなんだなぁ」と思いました。どういった会話かというと、それはだいたい次のような感じでした。

 

ここは便宜的に会社を辞める人を「Aさん」、上長(その時の状況からおそらくAさんの上長だと思われる)を「上長」とします。

 

上長「A君はすごい真面目に頑張ってくれてたから、僕も職場の人もすごい助かってたんだけどなぁ」

Aさん「・・・」

上長「ほら、○○の□□さんもAくんはすごく真面目で良い人だって言ってたよ」

上長「もう他に仕事決まったの」

Aさん「あっ、はい」

上長「どんな仕事なの」

Aさん「事務の仕事です。」

上長「あっ、そうなんだ・・・。でもさ、新しく仕事に就けるってことは、そこを辞めた人がいるってことだよね。すごく厳しい所なんじゃない?もう少し考え直した方がいいんじゃないの?」

上長らしき人の話しぶりから、どうしてもAさんの気持ちを変えたかったようです。基本的に上のような会話がずっと続いていました。今の時代は人手不足でどこも大変なようで、特に現場の仕事となるとそれはもう本当に大変でしょう。自分も現場の仕事はいろいろと経験してきたのでよくわかります。

 

しかし、Aさんの気持ちは固いようで、上長の気持ちを変えさせたい話には乗ってきません。それもそのはずです。労働者が会社を辞めるというのは、それはもう「よっぽどの決断」ですから。

辞める人の心はほとんど決まっている

これは自分の経験でもそうですし、他の方もおそらくそうだと思うのですが、「辞める人はほとんど心は決まっている」ということです。心が決まっているというのは「会社を辞める決心がついている」ということです。

 

労働者側の辞める時の表向きの理由としては、「親の介護」とか「自分の能力が足りなかった」とか、なるべく穏やかに速やかに辞めたいと思っているので「会社側のせいではありませんよ」と担当者の方には言います。

 

けれども実際の理由としてこのような心境に至るということは、もう完全に「限界を越えている」状態です。

 

会社側に「辞める」と伝えるということは、今まで安定してもらっていて、さらに今後ももらえるであろう給与を手放すことになります。その職場で長く働いてきた人であれば、その人にとって嫌な人もいるでしょうが、非常に仲が良かった人もいるでしょう。そういったマイナス面もあればプラス面もある蓄積された人間関係も手放すことになります。

 

他にもその職場で長く働いていれば、その職場における仕事に対する蓄積された理解もあるはずです。そういった諸々の蓄積されたメリットを手放して0から苦労して新しい場所で仕事を始めてでも辞めたいと思えてしまえるくらい、会社側は労働者に対して酷い仕打ちをしてきた、ということです。

 

ですから会社側の人間が「労働環境を少し改善すれば考え直してくれるだろう」とか「こちらがちょっと下手に出れば退職を撤回してくれるだろう」という軽い気持ちでいたら、それは全くの見当違いです。

 

労働者の側は、仕事を辞める決断をする前に何度か上長とか職場側に何らかの形で問題解決の打診をしていると思われます。不幸なことに多くの職場ではそのことに気づいていないか、もしくは気づいていても先ほど書いたように「ちょっとやり方を変えてあげれば問題ないだろう」という非常に軽い気持ちで受け止めているのではないでしょうか。

 

そういった労働者の最後のサインに対して会社側が全く気づかないか無碍に対応することによって、「これだけやって駄目ならもう駄目なんだな」という風に労働者に対して「辞めるための十分な大義名分」を与えてしまうのです。

 

ですから会社側の人は、労働者が退職願を持ってきたら引きとどめるのはもう9割以上諦めた方がいいです。そこで引きとどめられるのであれば、そもそも労働者は退職願を持ってきません。

 

そこで引きとどめようとするのではなくて、最悪の結果を避けたいのであれば、「事前に」「常日頃から」「職場の人間関係や仕事に何か問題がないか」気を配っていなければならないでしょう。

まとめ

今回の件で思ったのは「こういうことが身近で起こるくらい会社を辞める人というのは実は水面下ではかなり増えてきているのかもしれない」ということです。

 

今の日本の社会は人手不足であり、昔と比べれば転職はしやすい状況になっています。また、一昔前は転職するというのはあまり良いイメージを持たれなかったかもしれませんが、今の時代の世間のイメージでは、転職するというのは抵抗は少なくなっているように感じます。

 

むしろ「いくつか会社を経験していない人の方がやばい」ぐらいのイメージになってきているのではないでしょうか。

 

今回の件のように、その人がやりたいことのために会社を変えるというのがもっと増えていってほしいと思っています。今は以下の記事のように有効求人倍率は非常に高く、人手不足も重なって転職はそれほど難しい状況ではありません。

雇用の流動化が進めば、会社の方も労働者に対していつまでも大きい顔はしていられません。昔は労働者に対して会社は「代わりはいくらでもいる」と言えたかもしれませんが、これからの時代、もしくは今の時代は、労働者の側が会社に対して「代わりの会社はいくらでもある」と言える時代ではないかと思っています。

 

労働者もひとりひとりの能力を高めることは必要でしょうが、会社間でも待遇改善や給与の引き上げに関して「健全な競争」は必要なはずです。

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