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知識の倉庫の整理

はてなブログからワードプレスに引っ越しました。ここでは中小企業診断士の勉強記や経理、派遣社員として働いて気づいたこと、その他に技術関連や社会関連について思ったことを書いています。現在はAccessVBAを勉強中。

給与の手取10%減少の状況から将来の正社員の待遇は暗い

今後正社員という働き方はますます待遇が悪化していく、割に合わない働き方になっていくと予想されます。

「えっ!本当に!?」という人もいるかもしれませんし

「何を今更・・・」という人もいるかもしれません。

それを象徴するようなニュースを最近見かけたので引用してみます。

日本郵政グループは、今年の春季労使交渉で、日本郵政グループ労働組合(JP労組)の要求に応える形で、正規社員と非正規社員の「同一労働同一賃金」を目指し、待遇格差の是正に乗り出した。ただ、その手法に「正規社員の待遇を下げる」が含まれたことが、論議を巻き起こしている。

日本郵政によると、グループ正社員約22万6500人のうち、引越しを伴う異動のない一般職2万人中5000人を対象に、10月から段階的に住居手当を廃止する。最大で月2万7000円の住居手当てを、10年かけて毎年10%ずつ減らす。また、正社員のみ対象の寒冷地手当、遠隔地手当も削減する。

日本郵政に限らず、いずれこういう事態にはなるだろうなぁとは思っていました。今回はこのことについて以前から考えていたことを書いていってみます。

JR西日本の社員の年齢構成図から考える日本郵政の社員の年齢構成

今後正社員という働き方はますます待遇が悪化していく、割に合わない働き方になっていくと冒頭部分で書きましたが、その理由のひとつが、現在の大企業の年齢構成に問題があると考えられます。

以前JR西日本の社員の人口構成分布の図に関するニュースを見たとき驚愕しました。なぜかというと、JR西日本の社員の年代別の人口構成の歪さにです。以下に引用してみます。

「こんなの絶対おかしいよ!」

最初にこの図を見たときは本当に驚愕しました。自分が実際にインターネット上で見たJR西日本の年齢構成図はまた別のもので、その元になる情報はどこか探した所ぴったり当てはまるものが見当たりませんでした。

それで、上記に引用した情報がたぶん直近のJR西日本の年齢構成図に近いだろうということで引用させていただきました。引用した2017年度のJR西日本の社員の年齢構成図を見ると、40代が極端に少なく50代が異様に多いという非常に歪な構成になっているのがわかります。

このような状況になった理由は1990年前後にあったバブル景気による社員の大量採用と、それから約10年後の就職氷河期による社員の大量抑制があったものと思われます。

JR西日本という歴史がある大企業がこのような状況ということは、歴史があって大企業である日本郵政も年齢構成がJR西日本に近いであろうということです。

ちょっと脱線しますが、引用した図を見るとバブル景気の時の就職活動がいかに楽だったか、就職氷河期の就職活動がいかに厳しかったかがよくわかります。就職氷河期の世代の多くの犠牲の上に50代の人たちが年功序列の慣習において高給を得ているというわけですね。

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コメントでの指摘から、一部正しくない内容がありましたので修正させていただきました。詳細は記事下のコメント欄を確認していただければと思います。

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日本の企業の多くは年功序列と言われています。ですから企業でもらえる給料というのは、若い時には低く抑えられ、年を重ねれば多くもらえるようになると言われています。

これはまた別の見方ができるのではないでしょうか、それは年功序列を支えている背景のひとつにあるのは、企業内の給与制度が「賦課方式の年金」みたいなものになっているのではないか、ということです。

というか、20代から60歳前後までの多くの人間が同じ組織に生きるということは、時間もお金も共有することになると言えます。規模が多くなればなるほど、在籍する人間の世代間の年齢の幅が大きくなればなるほど、様々な利害関係が生まれてくるわけで、そういったものも含めてその「組織内全体で共有」していかなければならなくなります。

そういった環境下で年功序列であるのに、企業の成長が見込めないのであれば、年功序列というシステムの中で非常に有利な位置にいる年長者のために若者が犠牲にならざる得ない。特に最近の若い世代の「なかなか給料が上がらない」といった声も納得がいくのではないでしょうか。

年功序列を支えていたのは企業規模の拡大とそれを支えるピラミッド型の組織です。高齢になるほど数が少なく、若い人ほど多くなっていく。じゃないと高齢者の高給を支えられませんから。そしてそのピラミッド型組織を支えていたのは永遠に続くという前提の国の経済成長です。

しかし昨今の日本の経済状況を見れば失われた20年という言葉が生まれてきたように、経済成長が永遠に続くという前提は崩壊しています。また、さきほどのJR西日本の社員の構成の図を見てもらえばわかるように、山型ではなく50代が多く40代が非常に少ない歪な構成になっています。

「正社員」という働き方は「安定したピラミッド型の組織」の存在が前提にあります。その前提が現在までのような環境変化によって成り立たなくなるのであれば、考え直さないといけないのではないでしょうか。

15年前と比較して会社員の額面年収700万円の手取りが10%近く低下しているという事実

どうやらこの15年間で会社員の手取りが徐々に減少しているようです。最初この事実を知ったときは非常に驚きました。「えっ、何でそんなことになってるの?」と。

そのことをわかりやすく表しているのが以下に引用したツイートの記事です。

以下が引用したツイートの記事の中でも注目の部分です。

給料がずっと変わらなかったとしても、「手取り」が減っているということは、「引かれるお金」が増え続けているということです。

2003年以降、制度改正が相次ぎ、所得税も住民税も、厚生年金保険料も健康保険料もすべてアップし続けているため、見事に右肩下がりのグラフとなっています。

給料の「手取り」が減り続けている背景は、この15年間、ほぼ毎年「手取り」が減る改正が行われていたからです。

◆手取りが減るおもな制度改正

【2003年】社会保険料の総報酬制によりボーナスの手取りが減る
【2004年】配偶者特別控除の一部廃止により専業主婦またはパートの妻のいる夫の手取りが減る
【2006年】定率減税の廃止により所得税・住民税アップ
【2011年】中学生以下の子どもの扶養控除廃止、高校生の子どもの扶養控除の縮小により、子育て世帯の手取りが減る

引用した記事を見てもらえばわかるかと思いますが、2002年から2017年の額面700万円の人の年収の手取りを見てみると、きれいに減少傾向になっているのがわかります。この事実に対して以前から疑問に感じていたことが納得できました。その疑問というのは次のようなことです。

インターネットで「会社員 平均年収 推移」と検索してみると、そのキーワードに関連したサイトがたくさん見れます。例えば以下のような「年収ラボ」というサイトがあります。

引用先には平成7年度から平成26年度のサラリーマンの平均年収の推移が年度別に棒グラフで表されています。もう少しよく見てみると平成21年度から平成26年度にかけて若干平均年収が上昇傾向なんですよね。

西暦に直すと2009年から2014年の期間になります。この期間て2008年のリーマンショックの影響が出ているはずなんですよね。本来であれば今までの下落傾向が続くかさらに下降の傾斜がきつくなると考えるのが普通です。それにも関わらず若干の上昇傾向が見て取れるのはなぜなのかな?とずっと不思議に思っていました。

例えばコンビニとかでお弁当とか飲み物とかお菓子とか多くの人が買うでしょう。その「容量」って減ってませんか?減ってますよね?さらにその状況で値段は据え置きかむしろ上がったりしているものもあったのではないでしょうか。

企業側では「改良」とか「健康志向」って言っていますけど、要は経営的に厳しいから「いろいろ削っている」ということだと思われます。そのような自分の感覚値としても平均年収が上昇傾向にある事に対して「違和感」がありました。

しかし今回引用した「手取りの減少」の記事から自分の感覚の方がやはり正しかったんだなと納得しました。目で見てわかる光景だけでも、これだけ周りでよろしくない状況が発生しているのですから、内部を探っていけばさらに厳しい状況であることはなんとなく予想できます。

では、なぜこのような手取りの減少が続いているのでしょうか。その大きな理由のひとつとして、自分の考えでは相対的な「高齢者の増加」と「現役労働力人口の少子高齢化による減少」があるのではないかと思っています。

会社員の手取りがこの15年間で減少の一途を辿っている理由の1つ

手取りがこの15年間減少し続けている理由は、額面の金額から引かれる税金の額が増えたからです。特に正社員で働いている人は細かい内訳を見る機会は少ないかもしれません。ですから手取りが徐々に減っているのに気づかず、生活的な「痛み」もそれほどなかったかもしれません。

ですが、引用した記事の内容を見ると、今までの減少傾向から今後も手取りの減少が予想されることは明らかです。そもそもなぜこれ程までに引かれる税金が増加していっているのでしょうか。

わかりやすい大きな理由の1つは「高齢者の増加」とその高齢者を支える「現役労働力人口の少子高齢化による減少」が考えられるでしょう。特に総務とか経理をやっている人ならわかると思いますが、厚生年金保険料率の推移を見てもらうと2004年度から増加の一途を辿っています。

賦課方式である年金制度をこのまま継続していくのであれば、正社員の手取りが、少なくとも近い将来を考えるのであれば同じ額面で手取りが増えることは考えづらいでしょう。

今の時代は働き方改革が話題になったり、非正規の比率が4割近いという状況から考えると、どうしても取りやすい所から取らざるを得なくなってきます。例えば「正社員」とか、さらに「高額の年収」をもらっている人とか。

正社員という働き方は、少し前の時代のように高齢者が少なく現役世代が多い時であれば、少ない高齢者を支える社会保険料として引かれる税金も少なく済んでいました。時代の背景的にも工業社会であったため「作れば売れた」時代であり、そのことも国全体でピラミッド型の人口構成を前提、維持する上で年金制度を支えられた要因だったと思われます。

そのような環境、時代背景から、深い思考もそれほど必要なく、いかにモノを多く生産するか、そのためにはいかに長時間働けるかが重要な時代でした。けれども今の時代は基本的にモノは「飽和状態」であり、特に必要最低限のものは多くの人が持てる時代です。

最近では断捨離という言葉がよく聞かれるように、むしろ「モノを持たない」ことが良いとさえ考えられるようになっています。また、工業社会的な価値観や働き方を捨てきれない人が多く、次の情報社会、知識社会への移行がスムーズには進んでいません。

そういった時代に、今までの工業社会的な「長時間労働」とか「正社員」という価値観、働き方は合わなくなってきている、もしくは今一度考え直してみる機会になってきていると思われます。

若い世代、現役世代を冷遇すると、それは年金の減少という形で高齢者に返ってくると思われる。

ここまで企業という視点からは若い世代や氷河期世代が企業における上位世代のために冷遇されてきた、日本という国の視点では、現役世代が高齢者の年金のために社会保険料の上昇を通して手取りの減少という形で冷遇されてきた、といったことを書いてきました。

じゃあこれから年金を貰えることになっている50代や60代前半の人々、または現在年金を貰っている高齢者は何の損もなくこれからも年金を貰い続けることができるのでしょうか。自分はそうはならないと思っています。

「因果応報」とか「自分が与えたものが受け取るもの」という言葉があるように、現役世代を冷遇すれば逆に高齢者の負担も多くなっていくであろう、と思っています。

というのは、ちょっと考えればわかると思うのですが、年金の原資は税金です。その原資を生み出してくれる人たちをどんどん使い潰しているのだから、高齢者の手元に入ってくるお金が少なくなっていくのも必然です。

例えば現在の日本という国は労働力人口の中で非正規が4割近くを占めるようになっています。で、基本的に正社員よりも非正規の方が支払う給料というのは少ない傾向にあります。

ということは、「徴収できる税金」も必然的に少なくなってきます。例えば所得税とか住民税、社会保険料などの徴収する金額って「料率」で決めています。もう少しつけ加えると、高い給料を貰っている人は高い料率になるけど、低い給料の人は低い料率になります。

現在は非正規の増加などで、企業の支払う給与は少ない金額で済んでいます。このような制度でどのようなことが起こるか言えば、「国の税収は減っていく」のは目に見えています。その結果どうなるか言えば、高齢者の貰える年金も減っていく、減らさざるを得ないというのは容易に想像できます。

企業側、50代とか60歳前後の特に経営層に近い人たちは若い世代の給料を抑えれば、非正規を増やせば自分達は楽ができる、給与や役員報酬を増やせると思っているかもしれません。高齢者は、たくさんの年金が欲しいとか医療費を安くして欲しいということで、高齢者にとって都合の良い政治家を選べれば将来安泰と思っているかもしれません。

一見すると若い世代だけが辛い思いをして、その犠牲の上に50代以上の人たちだけが良い思いをしているかのように見えます。でも世の中というのは不思議なもので、一方的に得をしてきた人たちが、じゃあこれからも死ぬまで得をできるかというとそうでもありません。

それは年金の受給年齢の引き上げという形で現在騒がれています。ここ数十年の国の年度ごとの収支を考えればこれだけで済むとは到底思えません。何が言いたいかというと、人に損をさせてまで自分が得をすることは長くは続かないということです。

まとめ

最初の日本郵政、JR西日本の事例と手取りの減少の事例をまとめると、正社員として働き続ける限り「年収がなかなか上がらない」のと、そこからさらに「手取りが減っていく」ということです。

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コメントでの指摘から、一部正しくない内容がありましたので修正させていただきました。詳細は記事下のコメント欄を確認していただければと思います。

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この大きな理由のひとつは、ある一定の集団内における「人口構成」が問題だと考えられます。企業の面から考えるとピラミッド型であれば今までのような「年功序列」が維持でき、そこから「終身雇用」も維持できていたでしょう。

同様に日本という国全体でも、人口構成がピラミッド型であれば現役世代の社会保険料の負担は軽く、高齢者がもらえる年金も潤沢なものになっていたでしょう。

じゃあ今そういう状況にあるのか、と聞かれれば日々のニュースとか自分の感覚値としても「そういう状況ではない」と言わざるを得ません。このような状況を冷静に観察してわかるのは、「正社員は安全だ」とか「とにかく定年まで頑張って働けば国が年金という形で面倒を見てくれる」という考え方は「危険ではないか」ということです。

別に現在の企業や日本という国を全否定するわけではありません。人間が気持ちよく生きていくためには、企業という組織を通して働く場所というものは必要でしょう。また、人間というのは失敗する生き物ですし、時間が経てば老いていきます。ですから、そういった人たちを支えるセーフティネットとしての雇用保険とか社会保険、年金といったものも必要でしょう。

自分が今回の記事で伝えたいのは、ここまで書いてきたように、これまでの環境の変化から「何らかの組織や地位」に「依存し続ける」ことは危険ではないか、ということです。

企業という組織で頑張って働き続けことは素晴らしいことですし、何かあった時のために何らかのセーフティネットに期待することは普通のことだと思います。ただ、そういったものに「正社員」という形で「全て依存する」のは危険ではないか、ということです。

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更新日 2019年3月29日 9:26 PM

View Comments (2)

  • このブログの管理をしている者です。
    コメントをしていただきありがとうございます。

    ご指摘の内容を確認した所、確かに仰る通りでした。

    バブル期(88-92年)から考えて、この時の新卒(22歳前後)の方が統計資料が作られた2017年までの25年後から29年後の現在何歳になっているかというと、だいたい50歳前後になっているということになります。

    その年齢の領域は確かに他の年代と比べると少なくなっており、自分が書いた内容は間違っていました。そのため、自分の伝えたい事に対して合っていなかった記事のタイトル、引用した図、記事内の文章など修正致しました。

    他に何か不備があれば指摘をしていただけるとありがたいです。

  • グラフを引用している「データで見るJR西日本2017」の2ページめを見ていないのでしょうか。
    見れば一目瞭然、JR西の採用が少ないのはバブル末期にあたる88-92年、就職氷河期に入った93年以降はバブル期の数倍を採用しています。これは、旧国鉄時代の83年からずっと、経営再建の関係で新卒採用をストップ(85年に幹部候補生として大卒を少数採用した以外、採用人数は完全にゼロです)していたからです。
    つまりJRは、日本でもおそらく唯一の「バブル世代をほとんど採用せず、就職氷河期世代を大量に採用した」会社です。当然、日本郵政やその他の会社とは全く違います。