とある外食企業の経理業務事情━低生産性から高生産性への要請について

以下の過去記事でも書きましたが、現在はとある外食企業で派遣社員として働いています。今までは外食産業というのは、自分は現場で働いていた経験があったので、本社の方も男性ばかりで体育会系的で非常に厳しい所といったイメージがありました。

 

ですが実際に勤務してみないとわからないものです。今回は偶々かもしれませんが自分のイメージ程ではなくて、今まで勤務してきた企業と同じように女性が多く、現場に比べれば穏やかです。

 

外食産業というと典型的な「労働集約産業」であり、生産性という面では、他の産業に比べて低い傾向にあります。まぁわかりやすく言えば「体力勝負」の傾向が他の産業より強いということです。

 

今回は最近の職場事情から、この生産性という面で気づいたことを書いていってみます。

外食産業で働く人たちは本当に多くの人が辞めていく

外食産業の本部の側で働いているからこそわかるのですが、本当に「辞める人」もしくは「辞めそうな人」が多いと感じます。

 

自分は人事部で働いているわけではないので、具体的にどこの店舗の誰が辞めたのか、もしくは辞めそうかといったことや、今月は何人辞めたといったことはわかりません。

 

しかし自分がいる職場の経理部と人事部は隣接しているので、人事部の人たちの会話からすぐわかるのです。例えば

 

「○○さんて××店にいましたけど5月にはもう辞めましたよ」

「以前A店にいた○○さんが源泉徴収票送って欲しいそうです。」

「あの人、別の業界行きたいって言ってるらしいですよ。」

「今別の仕事探してるんですよね。」

 

以上のような会話が仕事中、もしくは昼休みなどに平然とされるのです。今まで働いてきた他の企業ではこういったことはありませんでした。

 

確かに今までの企業も会社の事情とか仕事の辛さ、人間関係から辞める人というのはいました。ですが今の企業のようにこれ程日常的に「誰々が辞めた」という話を聞く所はこれまでの企業ではありませんでした。

 

他にも業界特有の人手不足事情として「外国人」が強く求められています。

 

というのも現在の日本では、インターネットの影響や情報リテラシーの高度化した国民事情のためか

  • 日本人の雇用が非常に難しい

ようです。

 

そのため、外食産業に多い

  • 中国人
  • ベトナム人

等といった人たちの採用が自然と増えてくるというわけです。

 

結構前からコンビニや飲食店で働いている「外国人」を見る機会は多いなと感じてはいました。それは人件費とか日本人よりも頑張ってくれるからといった理由もあるからかもしれませんが、

 

そもそも根本的に

  • 日本人が社員として来てくれない

という状況にあるので、その埋め合わせのために外国人が多く採用されているのだろうと思います。

高い生産性の要請は現場だけではく本部側も求められている

キーボードと電卓

以上のような現場での人手不足事情から、ひとりひとりの負担が多くなっていきます。外食産業というのは労働集約産業なので生産性を高めるためには「人の数」が必要なのです。

 

ですが、肝心の人を雇うということが昨今の日本の人口減少という状況も相俟って難しくなっているわけです。

 

これは最近気づいたのですが、「本部の側でももしかして人を雇うことが厳しいのでは?」と感じています。

 

経理とか人事とか総務などの部門がある本社というのは、基本的に

  • コストセンター

という認識です。

 

その意味は、現場のように売上をあげられるわけではないので、基本的に

  • いかに費用を削減するか

という視点で見られるのです。

 

ですから現場の方は数を増やす傾向にあっても、本社の人間の方は費用を抑えるためになるべく少ない人数で仕事をこなす、という発想になっていきます。

 

そういった認識はあったのですが、現在自分がいる所というのは、今までの企業と比べるとこの傾向が強い気がするのです。この理由はやはり、自分がいる企業の業種が「労働集約産業」に属してしまうからでしょう。

 

外食産業のビジネスモデルというのは、基本的に「薄利多売」ですから、少ない利益を補うために多く売る必要があります。しかし昨今の人手不足事情からこの「多く売る」ということが難しくなっています。

 

この影響が本社の側にも及んでいるというか、世間では今は「低生産性から高生産性へ」という雰囲気が出てきているということもあって、現場だけでなく本社の側にも高い生産性が求められているなぁと最近感じているわけです。

「何か効率化できそうなことがあったら言ってください」

今の職場で働き始めてから何回か言われていることなのですが、それは

 

「何か効率化できそうなことがあったら言ってください」

 

といった言葉です。この言葉の背景には、ここまで書いてきたように外食産業特有の事情があるのだろうと感じています。

 

このようなことを言われると、今まで溜め込んでいたアイデアを提案する人もいれば、特に何も考えず仕事をしていた人はそのままスルーせざるをえないかもしれません。自分としても全く何も考えがないわけではありません。

 

今までの職場でもこういったことを言われた所はありました。その時のとある企業では自分が考えたことを提案したことがあったのですが採用されませんでした。この時に思ったことは

 

「提案を求められているから提案したのに、それを全く採用しないとはどういうことなのか?何か他に意味があったのだろうか?」ということです。

 

そういった過去があったので、「何か効率化できそうなことがあったら言ってください」と言われても、職場の雰囲気的に高い生産性を求められていることがわかっても二の足を踏んでしまう自分がいるのがわかります。

効率化できる案は全くないわけではないのだが・・・

下の人間も全く何も考えず仕事をしているわけではありません。ある程度の期間同じ場所で仕事をしていれば何かしら見えてくるものです。例えば

  • 「ここは今まで手入力だったから時間がかかったけど、この部分の日付と勘定科目から『SUMIFS関数』を使えば、指定の条件の下で合計が出せるな」

 

といったことや、

 

  • 「この部分とこの部分はミスが多く修正に時間をとられるけど、『ユーザー定義関数』と『IFS関数』を設定して、複数の条件の下に『○』と『×』を表示できるようになれば、入力する人がその場でミスをしているかどうかわかる。だからその場で修正できて、他の人のチェックの負担も減るよな」

 

といったことです。

 

しかし今までの職場ではなぜか上の人間は採用してくれませんでした。ただ「もっと早くやれ」としか言わないのです。いかに入力のスピードを上げられるかといったことやいかに速く電卓を叩けるかといったことには限界があります。

 

人手不足という状況では高い生産性が必要です。ですから今までしていた作業の中で「いかに機械にやらせるか」といったことや「そもそもその業務自体をなくせないか」といった発想が必要になってきます。

 

こういった考え方は「支払手形の作成業務」でも言えます。支払手形の作成というのはいろいろと手間がかかるし危険も伴うのです。というのも、その手形という紙自体の扱いも注意が必要で、例えばこの紙のあて先である企業名を手書きする人もいますし、チェックライターという機械を使う人もいます。

 

ここで注意する所は「間違えられない」という点です。まず手書きでもちょっとした不注意で間違えてしまうことはあります。チェックライターを使うというのも難しく、ちょっとした感覚の違いからずれた所に印字されてしまうことも十分あり得ます。

 

他にも大きな金額を扱う重要な紙であるということから、常に他人からの「改竄の恐れ」に注意しなければいけません。

 

例えば、「10,000,000」と書かれた支払手形をどこかで紛失し、それを拾った第三者が金額を「100,000,000」と「0」を付け足して悪用するケースも考えられます。

 

そういった改竄の可能性を考慮して改竄されないように金額の前に「\」マークをつけたり、金額の一番後ろに「-」をつけたりするわけです。

 

紙ベースの手形を使うとこういった手間や心理的負担が発生するのですが、さらに金額によって「収入印紙」の処理とか保管が必要になってきます。

 

ですがこれを紙ベースではなく「電子的」にパソコン上だけで処理できる方法があり、それは

  • 「電子手形」
  • 「電子記録債権」

などと呼ばれるものです。

 

この方法を使えばわざわざ紙ベースの手形を持つ必要がなくなります。加えて手形を作成する必要もなくなり時間や手間が削減できます。収入印紙もいらなくなり、これも保管や処理の時間を削減できます。

 

こういった方法が世の中に存在するのに、いまだに紙ベースの支払手形を使っている一部上場企業を自分は知っています。

 

このように経理業務でも「生産性を高める」という方法は考えればいくつか出てくるのです。問題は生産性の観点から上の立場の人間が採用してくれるかどうか、上の立場の人たちの下の人間への理解といった点ですが。

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