「低生産性社会」から「高生産性社会」へシフトしていくという発想について

最近はちきりんさんの『自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方 』という本を読んでいました。

 

この本はつい最近発売されたものです。中古に出回ってから安く買えるようになるまではとても待ちきれないので、すぐ購入しました。

 

この本の内容は、ちきりんさんの視点から今の日本社会の働き方についての問題点やその解決方法について書かれた本です。

 

今の日本社会は人手不足の問題が大きくなっています。顕著なのが建設業界やIT業界外食産業も「ブラック」の代名詞で有名です。

 

個人としての感覚でも「忙しすぎ」て、家にはただ寝るために戻るだけ、という人も少なくないのではないでしょうか。

 

そういった社会の中で今後どう生きていけばいいのか。この本を読んでなるほどなぁと思った点や気づいた点などを今回書いていってみます。

「忙しすぎる」ということは「生産性が低い」という視点

「ここまではっきり言われるとは・・・」というのが、最初読んだ時の感想でした。

 

というのは、この本の最初の部分で、とある4人の事例を紹介しています。この4人は現在の日本社会でいかにもいそうな典型的な人たちであり、日々の仕事の問題点や忙しさから今後の「生き方」に疑問を持っています。

 

その4人に対してちきりんさんは以下のように述べています。

p.26

本質的な問題点

序章に登場した4人が共通して抱えている本質的な問題点、それは、「生産性が低すぎる」ということです。もしくは「生産性の概念を理解していない」とか「生産性の向上こそが問題解決に必要と理解できていない」と言ってもいいでしょう。

 

4人とも、そして「毎日毎日、忙しすぎる!」と感じている人たちも、まず取り組むべき本質的な問題は「生産性を上げること」です。

  • 生産性を上げる

 

この言葉は重要性はなんとなくはわかりますが、具体的にどういうことなの?と疑問に思われた方もいるでしょう。この点の具体的な事例についてUberとAirbnbの事例から説明がなされています。

UberとAirbnbが有効活用した資源

本書ではUberとAirbnbがなぜ生産性が高いのかについて書かれています。要は「今まで使われていなかった資源を必要な時に必要なだけ使えるようにした」点を評価しています。

 

これはタクシー業界との比較でわかりやすく説明されていて自分でも納得しました。本書ではタクシー業界に対して、例えば「東京の都市部で、ものすごいタクシーが延々と空のまま走っています。」とあります。

 

この点はよくわかります。自分も大学時代新聞配達をしていた中で、深夜にこういった光景は嫌というほど見てきました。

 

「いつ乗せられるかわからない乗客のために延々と空のまま走り続けるタクシー」のために、深夜にも関わらず、道路はタクシーの往来が絶えませんでした。ですから、道路の向こう側に新聞を入れるところがあっても、結構待たされることが度々ありました。

 

本書では他にも、鉄道の駅ごとに多くのタクシーが何時間も停車したまま客をまっているということに対して生産性が低いと述べています。

 

このようなタクシー業界に対してUberは、乗客にとっては「乗りたいときに乗れるシステム」、ドライバーにとっては「乗せたい時に乗せられるシステム」となっています。

 

ですから、ドライバーは暇になった時だけ近くにいる乗客を探せば良いので無駄な時間が発生しない、とあります。

 

例えば一般の人で車を持っている人は、平日はほとんど使われておらず、仮に使ったとしても土曜日や日曜日に家族とちょっと出かけるというのが比較的多いパターンではないでしょうか。

 

それに対してUberは、そのような「今まで使われていなかった眠っていた資源」と乗客とを結ぶシステムとなることで、「生産性が高い」事例として紹介されています。

 

この事例と同様にAirbnbも、個人が使われていない空き部屋や空き家を貸し出すことで、「価値に置き換えられ始めた」と表現されています。

そもそも「生産性が高い」とはどういう意味か

経営に関する本などでは、「生産性が~」といった言葉がよく使われますが、そもそも「生産性」とか「生産性が高い」とはどういった意味になるのでしょうか。

 

本書では以下のように書かれています。

p.72

生産性とはあくまで「自分が手に入れたいもの」をいかに少ない投入資源で手に入れられたか、という指標です。

生産性とは企業などで使われますが、これは引用した文章のように個人の視点からでも適用可能です。

 

要は「いかに楽して欲しいものを手に入れられたか」という見方ですね。そのわかりやすい事例が本書では多く書かれていますが、その中でも「本を買う」という行動について書かれています。

2時間が1分になったら

多くの人は欲しいものを「Amazon」で購入されているのではないでしょうか。実際の店舗まで欲しいものを買いにいく人もいるでしょうし、実際の店舗だといろいろと時間がかかるからアマゾンで購入するという人もいるでしょう。

 

アマゾンで買えるものは、家電や本、服、クツ、さらには水道橋重工の1億2千万円もする「クラタス スターターキット」なんてものもあります。上から下まで豊富な品揃えとなっています。本を買うという生産性について本書では以下のように書かれています。

p.201

本でもその他の商品でも同じですが、買いたい商品が特定されているとき、わざわざ家を出て店舗まで買いに行くのは非常に生産性の低い活動です。

 

東京に住んでいても、自宅から都心の大型店まで行くには地下鉄や電車に乗って片道30分はかかります。商品を買い、思い荷物を持って帰ってくるには全体で2時間が必要でしょう。

(中略)

こう書くとよくわかりますが、「買いたい本を書店に買いに行く」というのは、驚くほど生産性の低い活動なのです。それが家で商品を検索してクリックするという1分ほどの活動に置き換えられる━生産性という観点でみれば、これは革命的な変化です。

今回は「本を買う行為」をひとつの例えとして引用しましたが、要はやり方によっては、生産性を高めることは可能であるということです。

 

このブログでも同様のことを以下の過去記事で書いています。

情報空間における「検索」という技術によって、膨大な情報の中から特定の情報を探し出し、さらに「決済」もできることによって、今まで数時間かかっていたものが1分程の作業に置き換えることができるようになったというわけです。

少ない希少資源でより多くの成果を得る、ということについて

今回の記事では、UberやAmazonの事例を書きました。Uberの場合は、既に多くの人が持っている車という「眠っていた資源」を有効活用することによって車の稼働率が高められ、それによって得られる成果において生産性を高めることができました。

 

Uberという会社にとっては、新しく工場を建てるわけでもなく、車を開発するわけでもなく、既存の使われていなかった資源を使ったわけなので、ある意味投入した資源は「0」と言えるかもしれません。

 

Uberを利用する個人としても、新しく車を買う必要も無く、運転する必要も無く、車での移動が必要な時に、事前に簡単手続きさえ済ませればいいわけです。

 

Uberを利用できることによって、個人は時間的にも経済的にも体力的にも大幅に生産性を高めることができるようになったと言えるのではないでしょうか。

 

「本を買う」という行為においても、インターネットやAmazonを利用することによって、今までは膨大な情報の中から本を探すという行為や、さらに欲しい本を買うために近くの書店まで足を使って移動するという行為をほとんどなくすことができるようになりました。

 

この事例も、個人が時間的、経済的、体力的に非常に生産性を高めることができるようになったと言えるのではないでしょうか。

 

本書ではこのように「いかに少ない資源」で「いかに大きな成果」を得るという方法や考え方について、今後多くの人の生き方や働き方に必要なものであると書いています。

 

現在の日本は多くの業界で「人手不足」と言われており、さらに今後の人口の推移においても、減少の一途を辿っていくだろうと予想されています。さらに経済のグローバル化が進んでおり、企業間競争もさらに激しくなっていくことでしょう。

 

そういった環境の中で、今までと同じような体力にまかせた根性論的な働き方では、個人個人が豊かに暮らすのは難しくなっていくと思われます。

 

ではどうすればいいのか。本書ではその考え方について、今後個人がどう働いていけばいいかが書かれています。

 

今回自分が勉強になったのは、「使われていない資源を有効活用する」という方法でも生産性を高めることができると知ったことです。この発想は今までありませんでした。

 

Uberという事例がある、ということは知っていましたが、使われていない資源を有効活用する、ことが「生産性を高めることができる」という発想には結びついていなかったのです。

 

なるほど、こういう考え方もあったか、と勉強になりました。今回書いたことは、本書のほんの一部です。今後の働き方や生き方、生産性というものに疑問や興味がある方は購入してみてはいかがでしょうか。

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