「コンフィギュレーション」「コスト削減」「純利益」━階層ごとに異なる言葉

国によって言語の違いとか、文化の違いというのがあるのはわかります。ですが、人間の日々の生活における階層や仕事における階層ごとに言葉や認識が異なる、という発想は今までの自分にはありませんでした。

 

しかし『チェンジ・ザ・ルール』という本を読むことで、この世の中には階層ごとに異なる言葉が存在し、それを理解することで他者と上手くコミュニケーションが取れるようになるとの事です。

 

そのことで今回は気づいたことを書いていってみます。

階層ごとに異なる言葉

「コンフィギュレーション」

  • 「コンフィギュレーション」・・・システムや周辺機器などのソフトウェアやハードウェアを使用状況に応じて設定すること。環境設定とも呼ぶ。

「コスト削減」

  • 「コスト削減」・・・費用。特に、商品の生産に必要な費用。生産費。原価特に企業活動において、この費用を業務効率化などで低減させて利益を増やす際に使われる言葉

「純利益」

  • 「純利益」・・・当期利益ともいう。対象となる会計期間における企業の行なった一切の活動による成果を示す利益。会社が配当金にあてたり,役員賞与金に向けたり,準備金として内部留保に回すなど,いわゆる利益処分を行う場合の源泉となる。

 

辞書の中では上記に書いた内容が主に書かれています。ではなぜ今回このような言葉取り上げたのか?それは自分が今まで、企業活動に使われる言葉を「経営用語」のひとつとして捉えていなかったからです。

 

それを「階層ごとに異なる言葉」という視点を持てるようになることで、なぜ中小企業診断士の2次試験の過去問には

  • 「相手の言葉を使って話さなければならない」
  • 「リードタイム短縮」
  • 「生産性向上」

といった言葉が良く出てくるのかわかった気がしました。

 

「相手の言葉を使って話す」というのは単に業種ごとに業界用語などがあるから、その業界の人にはその業界の用語を使ったほうが、まあわかりやすいのだろうなぁぐらいにしか考えていませんでした。

 

しかし、「階層によって使われる言葉が違う」という視点が持てることで、なぜ「相手の言葉を使え」と指摘されるのかが深くわかった気がします。

 

その根拠ですが、今日『チェンジ・ザ・ルール!』という本を読んでいたのですが、その中で考えさせられる文章がありました。それが次の文章です。

「よくよく考えてみれば、言葉には三つの異なる種類があると思う。まずはコンフィギュレーションとか、画面とか、オプションとかいったコンピュータの用語だ。二つ目はリードタイム短縮とか、生産性向上とかいったミドルマネジャーが使う言葉で、これはコンピュータシステム用語とは大きく異なる」

 

「それともう一つ、三つ目はトップマネジメント、つまり経営幹部の使う言葉。利益だ。これが最も重要だ。純利益や投資収益率とかいったお金の話だ。キャッシュだよ。私のところの人間も君のところの人間も、この言葉は話さないじゃないか」

 

「もちろん三つの言葉はお互い関連するところもあるが、今日はっきりわかったのは、これらの異なる言葉をそれぞれ別の言葉に置き換えて考えることの重要性だ。これまで我々は、もしかしたら私だけかもしれないが、その重要性を無視してきた。他の言葉に置き換えることなどしなかった。」

 

引用はここまで

 

以上の文章は、クレイグというCEO(日本でいう最高経営責任者、社長)がスコットという人物に対してERP(企業の持つ様々な資源を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す業務ソフトウェアパッケージ)が企業に導入されるとどれだけ利益が増えるのか聞いた時のことです。

 

それに対して、スコットがなかなか適切な答えを返すことができず、反省していたときの言葉が以上の文です。

相手の立場、階層を考えて言葉を置き換えてわかりやすく伝える

「L」「E」「A」「R」「N」というワードが入った積み木

なるほど、自分も今まで、例えば会計ソフトを導入すれば、仕訳を入力してから財務諸表の作成はソフトが全てやってくれるからその分楽になるぐらいは考えていました。

 

しかし、今までの経理業務の一つの処理単位が仮に100円で、会計ソフトを導入することで35円まで削減できるとして、これにいままでの処理単位をかけると1000万円削減できる、

 

それを相手の立場、階層を考えて言葉を置き換えてわかりやすく伝えるというところまでは考えていませんでした。まだまだ勉強していかないといけないようです。

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