年次経済財政報告の調整コストを加味した構造調整のおける自動運転車とタクシー業界の問題

 

構造調整について

構造調整とは

「生産性の低い分野から、生産性の高い分野に資源(資金、労働力等)を移転させることを意味する。

 

この移転は摩擦なく行われることが望ましいが、実際には低生産性部門から解放された資源が、高生産性部門に吸収されるまでには時間がかかるので、その過程で活用されずに滞留する資源が生じる可能性が高い。

 

このような損失を調整コストと呼ぶならば、この調整コストを最小にすることは、国民の厚生を向上させるための重要な課題である。 」

年次経済財政報告

構造調整の意味について上記の資料から意味を引用しました。加えて次の記事

トヨタの自動運転車

  • トヨタ、2020年“自動運転”実用化を発表! ついに免許が不要に!?

http://www.nack5.co.jp/oricon_2061588.shtml

ちきりんさんのブログにも投稿されており、前回までの派遣の問題とも絡んでくるので今回取り上げてみました。

 

なぜ「構造調整」と「自動運転車」をとりあげたのか?以前からgoogleに関連するニュースなどで話題にはなっていましたが、未来の車として人が運転しなくても移動できるようになる車です。

 

ロボットカーとも言われているようです。ちきりんさんのブログでは主に以下の点をメリットに上げられています。

 

2015-11-03 自動運転車 超楽しみ!

1)人手不足が解消される

2)事故が減る。被害者に加え、加害者も減る

  • 長時間労働に疲れ、居眠り運転で事故るトラックやバス、
  • 行楽からの帰り、お酒を飲んで運転する不届き者、
  • 田舎の高速道路を逆走する高齢者、
  • 運転に慣れない休日ドライバー
  • 持病で突然死する高齢ドライバー
  • 無理な割り込みや追い越しをする人、
  • などによる事故が、大幅に削減できます。

3)物流コストが下がり、生産性が上がる

4)人生の時間の浪費が減る

5)商圏が拡大し、施設の集約が進められる

引用ここまで

記事の内容を見てみるとまるでバラ色の世界が待っているように見えますが果たしてそうなのでしょうか?

自動運転車が導入されるようになると労働者はどうなるか?

例えば、実際に2020年に自動運転車が導入されるようになったとしてタクシー業界で働いている人たちはどうなるのでしょうか?

タクシー業界で働いているドライバーは失業を余儀なくされていく

法律面や導入面でいろいろな障害が出てきてすぐには問題にはならないと思いますが、タクシー業界で働いているドライバーは失業を余儀なくされていってしまうのではないかと思います。

 

ここで最初に取り上げた構造調整という問題が出てくるのですが、タクシー業界で働く人の多くは中高年の方々です。自動運転車が普及するようになれば実用性や金額の面で勝てないと思われます。

 

もしかしたら何らかの新たな道が見つかるかもしれませんが、普通に考えれば自動運転車に置き換わってくるでしょう。現在は高齢者の運転面での安全が問題にもなっています。

 

そのような人たちを新たな産業にスムーズに移転させることができるかというとそれは難しいのではないでしょうか。今後衰退すると考えられる産業からその他の産業への資本や労働などの移動は簡単ではないと言われています。

 

労働者は特定の産業で長く働くことでその業界の技術を習得していきます。しかし新たな技術をゼロから習得しなおすというのは容易ではありません。

 

特に中高年という年代の人たちが新しい労働環境で働けるようになるには様々な問題が出てくるでしょう。今回はタクシー業界を取り上げましたが他の業界も十分考えられることです。

構造調整をスムーズに行うには

結論から言うと「労働市場を流動化させる」方が問題は少なくなるのではないかと考えています。

同一労働同一賃金に向けての労働市場の流動化

現在は正社員という雇用形態が法律面で手厚く守られており、一度退職すると正社員になるのは非常に難しいと言われています。

 

では非正規ではどうかというと、まだ市場的、法律的、金銭的にも問題があります。「同一労働同一賃金」という働き方は外国では導入されている所もありますが、まだ日本では難しいようです。

オランダのベーシックインカム

前回までの記事では派遣労働について書いてきました。この問題に対する緩衝材として、派遣労働という働き方をもっと整備していく必要があると思います。

 

現在オランダがベーシックインカムの実験を行っていますが、この件も今後真剣に考えていかなければならないでしょう。

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