先日以下の「脱日本人クラウド」さんの記事を見て驚きました。今の時代の技術力だと、既に料理をつくれるロボットもできるようです。
それがロボットキッチンのモーリー(Moley)と言われています。
動画を見ていて驚きました。料理をするロボットというと、なんだかひとつひとつの動きがぎこちないようなイメージがあります。
ですが、動画のモーリー(Moley)というロボットはまるで人間の腕のようにスムーズな動きで、まるで生きているかのように見えます。
この動画を見た時は、「今の技術力はここまで発展しているんだなぁ」と思いました。そこで今回はこの料理ロボットについて考察してみます。
産業用に実用化できるようになるまでの課題
いろいろ用途はあると思うのですが、例えばある外食産業の店舗などで使うことを考えてみます。
実際の店舗では1日に何百人の注文をこなさなければならず、大量の材料も必要ですし、それだけの注文をこなすための耐久力や安全性も必要でしょう。
もちろん全てが同じ注文ではないので、注文ごとに違う商品を作れるようにするためのプログラムも必要ですし、商品ごとに違った複雑な動作もできるようにしていくことも課題だと思われます。
しかし、動画内での動きや、今までの技術力の成長具合を考えると、上記に挙げたような課題も近い将来には可能になっているかもしれません。
家庭用に使われる場合
上記では産業用としてはまだ課題が多いと書きましたが、家庭用に使うことを考えればかなり普及するかもしれません。しかし現段階では、まだ値段がネックなようです。以下がその記事
人工知能(A.I)は、手料理までを奪い去ろうとしています。利便性を追求した結果、ロボットアーム付きのシステムキッチンなるものが登場。しかも、あのトップシェフたちの味を、そっくりそのまま再現できる!?
(中略)
Moley Roboticsによると、動画のような俊敏さには欠けるものの、すでにプロトタイプモデルが「カニのビスク」を30分未満で調理に成功。2011年イギリスNo.1シェフに選出されたシェフ、ティム・アンダーソンのレシピを再現したものだそう。
他にも英人気シェフ、ジェイミー・オリバーのレシピを記憶させるなど、実用化に向けて2,000種以上のレシピをインストールする予定だと「TIME」は伝えています。
現段階での、販売見込価格は約850万円。トップのシェフの味をそっくりそのまま再現できるとしたら…高い、安い?
850万円・・・。安・・・くないなぁ(汗)
ですが、家庭用に料理ロボットが普及すれば、主婦の多くはほぼ料理という仕事から解放されるのではないでしょうか。
確かにコンビニで弁当や惣菜を買って食べるという方法もありますが、それだとやはり選択肢が限られてきます。しかし上記の記事のようにロボットに料理の方法を学習させれば、少なくとも学習させた料理は今後は自動的につくってくれるようです。
データを世界中の人とシェアできるようになったら
もう少し視野を広げてみると、記事内では料理のデータを「シェア」できました。ということは、自分が実際に手順を録画しなくても、全国にいる多くの人がインターネット上に料理の手順のデータをアップロードしてくれれば、かなりの種類の料理をカバーできるようになるということです。
これはすごく画期的なことではないでしょうか。
実際に自分の手で作りたいという人もいるでしょうが、昨今の日本の経済状況から夫婦の共働きも珍しくなくなっています。そのため、なるべく自分の時間をつくりたい人もいると考えられるので、料理ロボットのニーズもあるかもしれません。
外食産業や中食産業への影響
一般の家庭に料理ロボットが普及してきたら外食産業や中食産業にも少なからず影響は出てくるかと思われます。
850万ではまだ高いと感じますが、もう少し現実的な値段になってくれば、購入者も多くなってくるでしょう。
外食産業や中食産業は「選択肢が限られている」
外食産業や中食産業のメリットというのは、「自分で料理を作らなくても食べることが出来る」という点であり、デメリットとしては「選択肢が限られている」という点ではないでしょうか。
例えば松屋に行けば、自分で料理を作らなくても、食券を買って注文することができます。ですが、それは限られた範囲内のものです。
料理ロボットによって、「種類の制限」がなくなる
しかし、料理ロボットによって、この「種類の制限」というのがなくなってくる可能性があります。この点が非常に大きいと感じています。
確かに産業用という点では大量の注文をさばかなければいけないので、耐久性や安全性などの課題はあるでしょう。家庭用であればこの課題はウエイトは産業用に比べれば小さいはずです。
材料さえ準備できれば、自宅にいながら料理ロボットによって、世界中の料理が食べられるようになる、という未来も遠くはないかもしれません。
そのように普及してくれば自宅でロボットが好きな料理を作ってくれるわけです。「種類の制限」がある外食産業や中食産業は、この「種類の制限」に対応できないと、未来は暗いのではないでしょうか。
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