前回以下の過去記事の文章を書いていたときにふと思ったことがあります。
もう少し視野を広げてみると、記事内では料理のデータを「シェア」できました。
ということは、自分が実際に手順を録画しなくても、全国にいる多くの人がインターネット上に料理の手順のデータをアップロードしてくれれば、かなりの種類の料理をカバーできるようになるということです。
これはすごく画期的なことではないでしょうか。
あれ?実はこれすごいことではないだろうか?と思ったので、今回はこのことについての考察を書いていってみます。
もしインターネット上のデータをシェアして利用できるロボットができたら
前回は料理ロボットが料理を作る時に、実際に人間が作った手順を録画してロボットに覚えてもらうことで料理をつくれるようになる、といったことを書きました。
「動き」に関するデータや人工知能の技術も研究が進めらている
今までであれば「ビッグデータ」など、インターネット上にある膨大なデータから、どういった人間の趣味思考の規則性を見出すかといった点に注意が向けられていました。
必ずしもそういったデータから、現実の世界の中で何か今までとは全く違う建物とか道具が作れるようになったり、そういったものが世界中に瞬時に広まってしまうといったことではなかったわけです。
しかし、以下の過去記事でも書いたのですが、現在はデータだけでなく実際のロボットの「動き」に関するデータや人工知能の技術も研究が進められているわけです。
単なる数値や文字の羅列といった、一般の人が考えるようなデータだけでなく「動作」といったデータもインターネット上で共有したり、それを学習できるようなロボットがどんどんできるようなっていったとしたら今後どうなるのでしょうか
そういったデータというのはインターネット上で無数の人がアップロードしたものでも、ロボットはどんどん学習していくと考えられます。
今書いているのは料理ロボットについてですが、じゃあ他のロボットや様々な用途にまでこのやり方を広げてみたらどうでしょうか。
例えば介護業界とか建設業界など、人手不足だけど仕事内容は複雑で、まだまだ人間の思考や、工程ごとに違う人間的な動きが必要な仕事は難しいでしょう。
ですが、画一的で人と接しない業界の仕事は急速に普及していくと考えられます。
「やり方」とか「ノウハウ」もインターネット上で共有されるようになったら
上記ではまだ目に見える「モノ」について考えてみましたが、じゃあ今までよりも効率的な「やり方」とか「ノウハウ」などもインターネット上で共有されるようになったらどうなってしまうのかなぁと考えたりもしました。
例えば料理ロボットであれば、今までよりも電気代や水道代を少なくできるような動きでできるようになるとか、
ドローンなどの配送ロボットであれば、この時間帯はこの家には人がいないからそれを考慮した最適な配送ルートを瞬時に計算して配送してしまうとか、
いろいろ考えられますが、インターネット上にある全てのデータを全てのロボットが共有して、そのデータを最大限生かして行動できるようになったとしら、
そうなっていったら、ロボットは今までとは比べ物にならないくらい高速で学習していって、我々一般の人間の生活も一変していってしまうのではないかと思いました。
機械の成長スピードが人間の成長スピードを超える時
今までの自分であれば、そういったことは「まだまだ数年、いや数十年は先だろうなぁ」と考えていました。
しかし実際に料理ロボットのモーリーやGoogleのヒューマノイドロボットAtlasの動きを見たりしていると、それほど遠い未来ではないのではないかと感じています。
今までの人類や技術の歴史を考えると、新たな発明品が出てきても、人間の生活が変わるというのは何十年とかかってきました。
1700年代に起きたイギリスの産業革命
例えば1700年代に起きたイギリスの産業革命では、蒸気機関などの発明により工業生産を飛躍的に増大させました。この産業革命の期間は諸説ありますが、この産業革命の恩恵が一定の範囲にいきわたるまでに約100年の年月が費やされています。
1970年代から始まったとされているIT革命、情報革命
また1970年代から始まったとされているIT革命、情報革命では通信技術が急速に発達しました。個人にもPC(パーソナルコンピューター)がいきわたり集積回路や通信できる容量を大幅に拡大した光ファイバーも普及するようになっていきます。
加えてLANやWANなどのネットワーク技術も発達し、今までに比べてより複雑で高度なことができるようになっていきました。これらの期間にしても約30年から40年という風に数十年はかかっています。
「情報」も「動作」も一瞬で世界中のロボットと共有できるようになったら
しかし、「情報」も「動作」も一瞬で世界中のロボットと共有できるようになったとしたら、人間の生活が変わっていくスピードというのは今までのような何十年という単位ではなく、
数年、数ヶ月、下手をすると数週間で私たちの見る景色も変わっていってしまう、そういう未来もあるのかもしれないなぁ、と記事を書きながら考えていたのでした。
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