電車に乗っていて他に座る席がない時などに小さな子どもが座りたがっている状況に居合わせるというのは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
例えば電車内の優先席に座っていて、駅に着いて母親と子どもが乗ってきたとします。そして目の前にいる子どもが非常に疲れている様子だったり、席に座りたがっている様子だったら、多くの人は席を譲るのではないでしょうか。
最初から善意で席を譲る人もいるでしょうし、なんだかこのままだと気まずい雰囲気だから席を譲るという人もいると思います。中には見て見ぬふりをして席を譲らないか、完全に眠ってしまっている人もいるかもしれません。
電車というのは、傍から見るとただ時刻通りに走っているように見えますし、その電車に乗る乗客というのは、ただ電車に乗っているように見えて、毎日がが同じことの繰り返しのように見えます。
ですが、そのような風景の中にも様々なエピソードが日々生まれています。
そのような中で昨日見た光景というのは、非常に異様だったというか、今までにないものだったなぁと感じ、それについて思ったことを今回書いていってみます。
朝からいつもとは何かが違っていた
これは昨日の朝の通勤電車内で実際にあった出来事です。今でも「本当なのか?」と疑いたくなるような状況でした。
あれは派遣先の会社に行く前の電車内で、午前8時ぐらいのことです。
2月の朝という非常に寒い中、会社に出勤する前のあの何ともいえない、というか会社を休んでどこかに行ってしまいたい感覚に後ろ髪を引かれる思いを何とかこらえながら出勤している時のことでした。
前日に派遣先の上司から「『あれ』を明日の午後までに終わらせてくれるよね♪」という少し無茶な依頼を受けていたので、それを終わらせるためにいつもより早く家を出ていました。(無茶させるのは正社員の方だけにして欲しいのですが・・・。)
そういった、いつもより違うことがいろいろと積み重なった結果なのでしょうか。その日の通勤に使う電車内というのはいつもと何だか違う雰囲気が漂っていました。
それに気づいたのは、何回か乗り換えた電車に乗って、2つか3つめの駅に着いてからのことです。
子どもが泣き叫んでいるのに誰も席を譲ろうとしない。

「座りたいよ、座りたいよ」
電車の中でまだ年端も行かない小さな女の子が辛そうに泣いている・・・。
何だか自分の背中の方が騒がしいことに気づきました。よくよく耳をすませてみると、どうやら小さな女の子が「座りたい」と言っているようでした。
それは優先席の前で起こっている出来事だったので、「まぁ誰かが席を譲ってくれるだろう」と思いました。
自分は電車内の出入口近くの壁に背を預けながら、出勤前のあの憂鬱な気持ちを、立ちながら眠ることで無理やり紛らわせようとしていました。
しかし、そのような状況になってから駅が1つ過ぎ2つ過ぎても誰も席を譲ろうとしません。小さな女の子は隣の母親らしき人物に「座りたいよ」と泣きながら縋っています。
いったい何が起こっているのでしょうか。普通に考えれば、あれだけ目の前で子どもが「座りたい」と泣き叫んでいれば、座っている人は嫌でも気づくはずです。あれだけの状況なら席を譲っても別に全然恥ずかしくないのに。
そして駅を6つ7つ過ぎて自分が降りる駅になった時に、その小さな女の子と母親も降りていました。結局その状況に居合わせた人は、ある意味「見殺し」にしてしまったわけです。
優先席という既得権益の名の下に若者を踏み台にする日本の縮図を見た気がした
他の人にとっては、別にたわいのない特に気にすることのない風景のひとつかもしれません。
自分が昨日経験したあの状況というのは、今までの経験では考えられないほどひどい状況だったなぁと感じました。「さすがにそれはいかんでしょ・・・」と。
自分もまさかあの状況で誰も席を譲らないとは思わなかったので、立ちながら寝てしてしまっていました。
電車内における「優先席」とは何なのでしょうか?wikipediaには次のように書かれています。
優先席(ゆうせんせき)とは、日本などの鉄道車両やバスなどに設置されている、高齢者・障害者・妊婦・乳幼児連れ(ベビーカー含む)などを、椅子への着席を優先・若しくは促す座席である。
優先席というと、高齢者や障害者など社会的弱者の方に対して優先的に座っていただくことを念頭に置いてつくられたものです。
別に優先席は高齢者だけのものではないはずです。普通席に座っていても障害者の方が目の前に来たら、多くの人は席を譲るでしょう。
まぁ確かに朝の通勤時間といういろいろと余裕がない時間というか、日々の仕事で疲れているので、席に座って少しでも眠りたいという気持ちはわかります。
ですが、目の前に小さな女の子が「座りたい」と辛そうに泣いているのに、その状況なら嫌でも気づくはずなのに席を譲らないというのは、今の日本の社会の縮図を見た気がしました。
- 「中高年が優先的に優遇される場所がある」
しかし、その一方で
- 「小さな女の子などの若い人たちの犠牲がある」
現代の日本の会社で働いている人達はよっぽど余裕がないのだろうなと思わされた出来事でもありました。
共働きや待機児童の問題が透けて見える
多くの会社で長時間労働が蔓延しており、皆昨日の夜遅くまで働いていたのかもしれません。母親の方もスーツを着ているような感じだったので、共働きで仕事に育児に大変だろうなとも思いました。
現在は日本において待機児童が問題になっています。子育て中の親が保育園などになかなか子どもを預けられないといった問題です。
保育所や保育士が不足していたり、保育園や幼稚園に子どもが一杯で子どもを預けられなかったり、といったことで生じています。
特に今回の出来事が起きた場所の地域は「激戦区」と言われているようなので、「あのお母さんもお子さんも大変だ」と他人事ながら考えてしまいました。
テレビやニュースで騒がれている問題が、今回のような形で自分の目の前で起きることで、何ともいえない気分になります。
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