中小企業診断士試験の「運営管理」から考えるサーブリッグ分析(微動作分析)といった効率化の行き着く先

中小企業診断士試験には「運営管理」という科目があります。この科目は主に工場に関する内容と店舗に関する部分に分かれています。この科目を勉強し始めて、工場に関する部分を最初読んでみてから驚きました。

 

「工場はここまで効率化が進んでいるのか・・・」

 

この効率化について思うことがあったので今回はそのことについて書いていってみます。

工場に対して世間で一般的に持たれているイメージ

インターネット上でいろいろと調べ物をしていると、普段だったら目にしないような情報も見つけることができます。

 

ある日、次のような情報を見つけました。

「工場でひたすらに刺身の上にたんぽぽをおく仕事・・・」

 

「へぇー、世の中にはこういった仕事もあるのか・・・(汗)」

 

他にも工場系の仕事やその感想が書かれたブログや記事を見たりしたのですが、賛否両論あるようです。例えば以下のような感じ

工場勤務のメリット

  • 誰とも話さなくてもいい
  • 単調な作業で特に何も難しいことを考える必要がない

工場勤務のデメリット

  • 時間の流れがいつもよりも長く感じられる
  • 作業が単調すぎて自分の生きている意味は何だろうかと自問してしまう

主に見受けられるのが以上のような内容です。言われてみると確かにそうかな、とイメージすることは出来ます。

 

一見するとそれ程大変そうな感じはしませんが、最近では工場でさえも激務すぎる、といった記事も見かけたりします。

トヨタの工場勤務での事例

自動車で有名な、トヨタの期間工などで働いた経験がある人の記事などは、かなりのきつさで辞める人も多いとの事。例えば以下のような記事

ある期間従業員は、日本共産党トヨタ自動車委員会に、こう訴えてきました。

 

「3年を超えてトヨタで働いているが、上司の対応に、今までにないような悔しい思い、憤りを感じている。1日当たりの生産台数が増え、体がもたない。上司に、『何でこんなに生産台数が多いのですか?』と聞いても『知らない』と答えるだけ。

 

『もうやれない(できない)』と訴えると、『自分は知らない』という。聞いていることに、まともに応えようとしない」

 

「時間内に作業を終えるよう詰められ、人間をロボットのように使う。ついていけない者は本人の責任、能力がないとみなす。これまでに、うつ病になり退社した人やぼろぼろになってやめた人などを見てきた。

 

悔しいのは自分だけではないことは十分知っているが、もう限界だ」

そもそもなぜこれ程きつくなるのでしょうか?具体的に何をしているんだろうか、と考えながら時間と共に頭の片隅に追いやられていきました。

 

しかし、中小企業診断士試験の「運営管理」という科目を勉強するようになってから、上記のような工場で働く人たちがなぜ激務になるのか、ロボットのように使われるとはどういうことなのか、と言うのかが段々とわかってきました。

IE(Industrial Engineering)「経営工学」という分野について

中小企業診断士試験には「運営管理」という科目があり、その中でさらにIE(Industrial Engineering)「経営工学」という分野があります。この部分を勉強するようになってから、工場の効率化というものに驚くようになりました。

 

具体的にどんな部分の効率化に驚いたかというと次のような内容で

す。

  • 作業研究
  • 方法研究
  • 作業測定

と呼ばれるものです。例えば方法研究はさらに次のように細分化されていきます。

  • 工程系(工程分析)
  • 作業系(動作研究)

このような分野がさらに細分化されていく感じです。何に驚いたかというと、生産性を追及するために、一人ひとりの腕の動きや手の動き、ストップウォッチを使った秒単位の管理などです。

サーブリッグ分析(微動作分析)

p.125

ギルブレス(F.B.Gilbreth)が考案した方法で、微動作分析ともよばれる。あらゆる作業に共通する基本動作を18種類の動素(サーブリッグ)に分解して分析する。サーブリッグ記号は、要素動作を分析するためにギルブレスが考案した分析記号である。

中小企業診断士 スピードテキスト (3) 運営管理 2012年度から引用

 

サーブリッグ記号はいくつかあるのですが、その中のひとつに「手を伸ばす」とか「つかむ」といったものがあります。

サーブリッグ記号

これはある製品をつくるときに、近くにある工具まで「手を伸ばす」場合や、その工具を使う場合「つかむ」ために使われる記号です。

 

ちなみに以下のサイトにサーブリッグ分析や工場の工程に関して詳しく書かれています。

ストップウォッチ法

p.138

作業をいくつかの要素作業に分解し、要素作業ごとにストップウォッチで時間を測定する。この測定時間には作業者の個人差があるのでレイティング(時間値の修正)処理を行う。

 

さらにワークサンプリング法により余裕率を加味して標準時間を求める方法である。求めた標準時間(理論値)を過去の実績(実績値)と比較し、最終的に標準時間を決定する。

中小企業診断士 スピードテキスト (3) 運営管理 2012年度から引用

 

上記に書いたサーブリッグ記号と呼ばれるもので、人間のひとつひとつの動作を分解して、そのひとつひとつにどれだけ時間がかかるか、さらにその動作や時間を積み上げていって、その工程はどれぐらい時間がかかるのか、といったことを調べるために使う方法です。

まとめ

両手で顔を覆い辛く悲しんでいる人

「こういったやり方をしていたら、確かにきつくなるな・・・」

「これって人間がやることなのかな・・・」

「効率化の行き着く先って消滅(人間の手を介在させない)じゃないだろうか・・・」

 

運営管理という科目には上記以外にもまだたくさんの、○○法とか、△△分析といったやり方が書かれています。

 

そういったやり方を知るようになる中で、「工場で働くことがどういうことなのか」といったことは何となくイメージできるようになりました。

 

しかしその中でもやはり疑問に感じることはあるわけです。

今後はブルーカラーだけではなくホワイトカラーへの影響も

これは工場という分野やブルーカラーと呼ばれる人たちの現在と言えるかもしれませんが、今後は同じようなことが、本社部門などのホワイトカラーと言われる人たちにも起こってくると考えられます。

 

日本は生産性が低いといったニュースを見かけたりしますが、それは工場などの現場部門ではなく、本社部門の方です。

 

今後は、この記事で書いた工場内でのやり方が、本社内でも生産性を高めるために少しずつ推し進められていくのではないでしょうか。

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