次の試験に向けて『中小企業診断士 2次試験合格者の頭の中にあった全知識』を読み始めて3週目に入りました。
さすがに3週目に入ると全体像もつかめてくるようになります。そこで今回の記事では、この本の良いところを書いていってみたいと思います。
答えCを導くために、前提知識Aがわかる
このブログの過去記事では自分が中小企業診断士の勉強をしてきたので、そのことについて時々触れてきていました。
冒頭部分で書いた『全知識』を読み始めて3週目に入り、どうすれば自分が理解した内容を他の人にもわかりやすく伝えることができるか考えていたところ、ツイッター上でおもしろい文章を見つけました。
それが以下の文章です。
オタクにAについての説明を求めると、Aの前提知識のB、Bの前提知識のCが必要だと思い込み、これをすべて説明しようとすると時間がかかると思い込むので、結果急いでCについて話し始め、「早口で関係ないことをまくし立てる」オタクが現れます
— tomnir (@tomnir) 2016, 1月 7
最初このツイートを見ていて、はっとさせられました。なぜなら引用ツイートにあるように、何かを話す時に相手がある程度わかっていると思い込んで話してしまうことがあるからです。
この文章が『全知識』を説明するのにわかりやすいのではないかと思いました。
というのも、中小企業診断士2次試験は筆記試験であり、明確な答えがありません。市販の参考書でも、資格の学校が発表する解答でも、答えがひとつに決まらずに所々変ったりすることもよくあります。
この試験は、よくプロセスが重要視されるのですが、市販の過去問の解答を見てもなんとなくはわかります。しかし「なぜそのような解答になるのか?」というのがわからなくなる時がよくあるのです。
その問いに対する解答がわかっても、各事例、各問いの「背景にあるなんらかの共通した知識」や「前提となる知識」を把握していないとなかなか対応できません。
例えば答えCを導くためには、前提知識Bが必要だとします。市販のテキストでも過去問でもここまでは書かれています。しかしさらにその前提知識Bを導くための前提知識Aがわかるのが本書だと思います。
文章の何が問題で、どういった背景があって、どういった知識が必要か
このブログでも本書については取り上げているのですが、例えば以下の過去記事を参照していただけるとわかりやすいです。
ある答えCを導くためにB-aとB-bいう公式がある。テキストでは使いやすい方を選べば良いと書かれているが、実はそうではない。
式がふたつあるのは意味があり、B-aを使う時は壱の状況の時、B-bの公式を使う時は弐の状況の時、といった具合です。
こういった事例だけではなく、本書には今まであれば、答えはわかるんだけど、なぜそうなるのかわからなかった部分が、いろいろなアイデアや事例を交えて書かれていています。
他にも、今までであれば事例文の中で問われる部分ではあるんだけど、なかなか「問題を問題として認識できない」時がありました。
一見すると、あたかも普通のことが書かれていてそれが問題であると気づかないのです。
しかし、本書ではそういった文章の何が問題で、どういった背景があって、どういった知識が必要かなどが書かれており目から鱗だと感じる部分が度々ありました。
『全知識』の姉妹編
『全知識』の姉妹編となる『中小企業診断士 2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ』というもう一冊の参考書があります。
こちらの本は、『全知識』を背景として、実際の解答プロセスはどうなるのかが書かれています。
まだほとんど読んでいませんが、自分の知識や記憶の確認という意味で、読んだ後に今回の記事のように勉強になった部分を取り上げていけたらと考えています。
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