格差が大きくなっているのではなく、日本と世界との格差が小さくなっている

ここまでの以下の過去記事からITによって世界がつながってしまった、という内容の記事を書きました。

最近の日本では「格差が大きくなっている」と言われたりします。それは一部の金持ちとそれ以外の貧しい人々という構図であり、その平均年収といった経済的な差が大きくなっているということです。

 

果たしてこれは本当なのでしょうか。これは半分本当で半分間違っているとも言えます。

 

というのも、格差が大きくなっているのではなく、「日本と世界との格差が小さくなっている」から現在のような状態になっているからです。ではなぜそのような状態になってしまっているのでしょうか。

 

今回はこのことについて考えていたことを書いていってみます。

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国境を越える性質の度合い

ネットワークの世界地図

上記の記事では、サービスモノ情報には、ある性質があるといった内容のことを書きました。それは「どれだけ簡単に国境を越えてしまうか」といった度合いの強さです。

 

サービスでは、例えば外食産業の店舗の店員などです。今では外国人労働者は珍しくありませんが、人の移動にはやはりコストと時間がかかります。

 

中国人労働者が日本の方が賃金も高いし環境も良いということで、日本に行こうと思っても、旅費や法律の問題、生活、文化の問題からそれが実現するには時間がかかります。

モノの性質

モノであれば、中国でつくったスーツの生地やビジネスバッグなど、それほど高い技術が必要とされないものは安く大量に製造されて、日本に輸送されるでしょう。サービスや人に比べれば国境を越えるのに制限は少ないです。

情報の性質

情報であれば、例えばプログラミング、会計の伝票の入力などは旅費や法律、文化、時間、コストなどの制限はほとんどなく、一瞬で自国でなくても仕事を委託することができてしまいます。

 

このようなことが現在起こっていて、段々とそれに気づく人も多くなっているのではないでしょうか。テレビや新聞、インターネットでも「日本の格差が拡大し・・・」とか「日本の貧困率は・・・」といった記事もよく見かけます。

 

おそらくこの問題は日本国内だけを見ていたら気づきにくいでしょう。自分も最初は「なんでこうなっていってるんだろう・・・」とずっと悩んでいました。

世界と日本との格差が小さくなっている

しかしいろいろと勉強するうちに、日本の格差が拡大したわけではなく「世界と日本の格差が小さくなっている」といった言葉から自分の中で「あぁ、そうか!」といった感じで、点と点が線が繋がったような感覚がありました。

 

今まで日本人がしていた仕事が海外に流出してしまっているわけです。そのような経済問題を理解するようになってから、じゃあ個人はどうしていったらいいのか、という問題についても考えるようになります。

『1秒でわかる!先端素材ハンドブック』

このような問題に段々と興味を持つようになっていったので、その周辺知識も調べるようになります。その中で日本の素材産業の強さを知るようになります。日本の素材産業に関して『1秒でわかる!先端素材業界ハンドブック』(泉谷渉著)という本を読んだりました。

 

その本の中には日本の素材産業の技術力の高さがわかる多くの企業について書かれています。

 

2011年12月22日発行などで最新の日本の動向がどうなっているかはまだわかりませんが、FPD用ガラスの旭硝子、シリコンウエハーの信越化学工業、光学フィルムの日東電工など世界でも高いシェアを持っている企業について書かれています。

炭素繊維の性質

他にも日本の企業が世界でダントツの世界シェアをもっており「強度は鉄の10倍、重さも4分の1」といった非常に魅力的な素材である「炭素繊維」についても書かれています。本書では炭素繊維について次のように書かれています。

p.102

航空機や自動車の分野で、新素材による大きな技術革新が起ころうとしています。航空機関連産業は、今後20年の間に市場規模が30兆円にも達すると有望視されており、グローバリゼーションが進めば進むほど、その需要は増すばかりです。

 

最近では、航空機の機体向けの資材を、鉄から炭素繊維に替えようという動きが加速しているのです。

 

炭素繊維は、アクリル繊維を高温で熱処理して作る高強度・軽量の素材であり、鉄と比べて重さは4分の1と圧倒的に軽いのです。そのくせ強度は10倍という素晴らしさであり、まさに「夢の新素材」なのです。

このような技術力の高さは一朝一夕では実現することができず、炭素繊維の実現には研究開発に40年もの歳月が費やされていると言われています。

 

上記の日本の素材産業から、個人の生き残りに何ができるかを考えたとき自分は「蓄積」ではないだろうか、と考えました。

まとめ

サービス、モノ、情報が簡単に国境を越えてしまうのは、それが「汎用品」だからではないか、もっと正確に言えば今までは高い技術力のものとして流通していたが、各国のインフラの発達、教育水準の上昇によって日本でなくても作れるようになった、その結果「相対的に汎用品になってしまった」んだと思います。

 

しかしその中で40年もの歳月を費やされたものがあるならば、単純に考えれば追いつくのに40年かかると思われます。

 

他の人が「今」を見ている中で「10年」とか「100年」先といった同じ時間を生きているようで、違う時間を生きることが今後個人個人が生き残れる道ではないかと、その時は考えるようになりました。

 

強調するようですが、「その時」はそう考えていました。しかしさらに勉強を進めるうちに、自分のこの仮説は実は間違っているんじゃないか、とも考えるようになりました。

 

というのも以下の過去記事でも書いたのですが、日本は中国や韓国などの国から技術をキャッチアップされるようになり、さらにその時間が短くなっていると言われているからです。

事実、2017年における日本の家電産業はほぼ外国の製品に取って代わられた感があります。今まであれば日本の技術は相対的に高かったのですが、少しずつ外国も技術力を高めてきて、今では「コモディティ商品」になってしまったと言えます。

 

重要なのは、既存の技術力を高めていくような今までの延長線上の考え方ではなく、他の企業とは競争しなくてもいいような、今までの技術を基にした全く新しい視点の技術が必要なのではないでしょうか。

 

以下が続きの記事になります。

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